グレン・グールド 孤独のアリア

グレン・グールド 孤独のアリア
 今回は本を採り上げる。題名は「グレン・グールド 孤独のアリア(ちくま文庫)」といい、著者はミッシエル・シュネデールである。初出版は1989年だが最近は文庫にもなっている。
 グレン・グールドは音楽ファンのみならず、様々な分野の人たちから注目されている希有な人物であろう。その演奏のユニークさのみならず、殆ど伝説と化している生き方など、インテリ?を自称する人々の興味を惹かずにはいられないようである。その証拠に、彼はCD以外にも本、映画、など多くのメディアに登場する。従って、よくある本人の評伝以外にも「私のグレン・グールド論」みたいな書物が巷に溢れることになる。
 著者のシュネデール氏はフランスのお役人である。なんとか省に勤める傍ら、過去音楽評論でフランスの何かの賞を取っている所謂「文才」である。そうした人間がグレン・グールドについて書かずにはいられない感覚、思いはよく分かる。題名のアリアはもうご存知だろう。グールドの名前を一躍有名にしたバッハのゴールドベルク変奏曲の主題である「アリア」から採っている。この曲の録音の際、主題の「アリア」の部分だけは数十回に及ぶテイクを継ぎ接ぎして完成させたというエピソードが残されている。つまりはそれだけ「アリア」に拘ったという訳である。
 この本自体も全体がゴールドベルクになぞらえて32の章からなり、どこから読んでも良いようになっている。グールドの奇行奇談はもとより、様々な伝説などを題材にして「ある日のグールド」をシュミレーションとするという凝った構成で楽しませてくれる。尤も、フランス人独特のユーモアや諷刺など我々には馴染めない個所も多い。要はかなりの教養(音楽はもとより、文学、絵画、歴史etc)がないと就いていけないところがあるのだ。トホホ辛い。とはいうものの、グールドのファンなら必読の書である。

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はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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