詩的で超常的な調べ

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詩的で超常的な調べ
 今回は読書感想を述べてみたい。その本とはローズマリーブラウン著の「詩的で超常的な調べ」(国書刊行会)である。ローズマリーブラウン(以下ブラウン夫人と記す)の話はかなり有名だが現時点ではほとんど忘れ去られているのが実態であろう。
 ブラウン夫人は霊的な能力があり、霊とのコンタクトが可能なのだが、その相手が古今で著名な「作曲家」であるところが大変興味深い。つまりリストに始まりショパン、ブラームス、ラフマニノフ、等である。しかも彼らから「新作」を伝授されそれを楽譜に表し、更にはそれらの曲を自ら演奏したレコード「ローズマリーブラウンの霊感」をリリースするといった具合なのである。また英国のラジオやテレビ等のメディアには何度も取り上げられたという。これを一種の奇談とか不思議現象とかに分類して仕舞うのはいたしかたのない事なのかも知れぬ。
 さてこうした情報は1970年後半以降全く途絶えてしまっていた。しかし実際ブラウン夫人は1971年に自伝とも言える本書を著していたのだ。それが44年の歳月を経てようやく邦訳版が出版されたのは我が国のこうしたジャンルへの理解不足と言って良いだろう。訳者があとがきで明らかにしている如く、本書を読み解くには「霊的な現象への理解?」及び「クラシック音楽の素養」が有る程度は必要だ。これは我が日本では敬遠されがちな要素なのであろう。
 そして本書の白眉は登場する(というかブラウン夫人に新曲を提供する)大作曲家たちの性格描写である。そもそも幼いブラウン夫人に「将来また会おう」等と謎めいたメッセージを送ったフランツ・リストは本件の中心的な役割を演じ、次から次へと作曲家たちを連れて来て紹介する。ブラウン夫人による彼らの表現は実に的確で面白い。 我々は作曲された曲からしか「作曲家を知り得ない」のだからこれは実に興味深い内容だ。
 ここで「そうした現象自体が如何わしいから採るに足らぬ戯言だ」と決めつけてはいかにも勿体ない。本件は1960年後半から英国で起こった話である。霊的な現象に理解を示す英国ならではの話だとしても、クラシック音楽ファンには是非読んで頂きたい著作に間違いはないだろう。
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Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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