デ・キリコ展

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デ・キリコ展
 12月26日で終了してしまったが汐留ミュージアムで開催された「デ・キリコ展」に行って来た。家の資料で調べた限りでは前回は1974年に観ているから実に40年ぶりになる。しかもその時のカタログ(画集)によると今回と殆ど重複していないのに驚かされる。つまりは大変有り難い展覧会なのである。
 キリコの特徴を平易に表すのは大変難しい。こうした抽象画では「解説」すら用を為さないことが多いからだ。更に「写真」のように扱って描かれている対象物を考えたところで全くナンセンスとなる。シュールリアリズムの(キリコもそのジャンルに分類されてはいるのだが)絵画は画家の生い立ちや絵画に対する考え方、描かれた背景などをしっかり勉強しなくてはならない。それだけディープな「鑑賞力」が要求される。会場に入って漫然と絵の前を通り過ぎるだけではまるで大江戸花火大会を観るのに等しい。尤も画家タンギーに至ってはバス通りのお店でキリコの絵を見つけ、思わず「バスから飛び降りた」というから、さすがという他ない。
 という御託を前提にするとキリコの絵にとってシューレアリスムは目的ではなくて手段であることに気が付くだろう。何度も繰り返される同じようなテーマやオブジェはそのことによって「寓意とユーモア」をそこはかとなく醸し出している。それは観るものの全知覚に語りかけてくるから一種の「音楽」であり、「料理」であり、「対話」でもあるのだ。つまり全身を使って鑑賞してこそキリコの絵の「真髄」が分ろうというもの。実に侮れない展覧会なのであった。
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No title

>キリコの絵にとってシューレアリスムは目的ではなくて手段である
>一種の「音楽」であり、「料理」であり、「対話」でもある
同感です。
いましがた、当方も感想を「ディックの本棚」ら載せました。
長いですが、表現の仕方、アプローチが異なっても、結局は上の記事とかなり近いことを書いているようです。

No title

ディックさん

JASONです。

コメント有難うございました。

「ディックの本棚」拝見しました。

多方面からのアプローチで大変楽しく読ませて頂きました。
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JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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