書評 荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

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書評 荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
 今回は最近読んだ本の紹介をしたい。題名は「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 」(集英社新書)という。当ブログのテーマには“ホラー”が含まれているので採り上げさせて貰った次第である。
 ホラー映画は過去かなりマニアックなジャンルであったのだが、最近は鎮静化しているものの、それは一ジャンルとして市民権を得たことの証明とも見受けられる。そして変貌はしているが今もって捉えどころのない世界といえよう。だから作者はそのあたりを丁寧に解説している。
 先ずはホラー映画をジャンル分けしている。不明確な世界をグルーピングするのだからある意味の「思い込み」は必要だ。そこで「ゾンビ」「田舎に行ったら襲われた」などかなり意外な分け方を採用しているのだが、これがツボに嵌っていて中々宜しい。
 次に区分された古今東西のホラー映画の分析が始まる。そこには「何故怖いか」ということよりも「何故引き込まれるか」に軸足が変わってくるのがミソである。
 また作品のクリエーターたちが紹介されるのだがこれが名前の紹介だけで終わっているのが惜しい。つまり分析と名前が結びつかないのだ。例えばクリエーターたちの生い立ちとか他の作品との関わり合い等が作品の面白さとどう結びついているかについて更に言及されるともっと興味深い内容になっていただろう。
 例えば名作「エクソシスト」が何故怖いのかといえば監督のウイリアム・フリードキンの徹底した(ある意味架空)のリアリズムにある訳で、これは実際、彼の前作「フレンチ・コネクション」では恐ろしいばかりに発揮されていたのだ。
とはいえホラー映画についてこうした斬新な切り口で考察した当著作は類を見ないと思われる。今後は映画というジャンルに留まらず、ビデオ作品、テレビドラマシリーズ等にも拡大して分析を進めて欲しいものである。
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テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

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No title

「荒木飛呂彦の 超偏愛!映画の掟」集英社新書を読みました。
ぱらぱらとめくっていたら、初っ端に『96時間』をベタ誉めしているので、「うぬ、おぬし できるな」とばかりに読んだ次第。
こちらも、やはり「なぜ引き込まれるか」を中心とした書き方でした。
こういう本というのは、読んでいるときに、「あ、この作品、見逃している。こいつがほめているなら、観てみようか」という気にさせるのが大切です。

No title

ディックさん

JASONです。

コメントありがとうございました。

「96時間」は予想外のヒット作でしたね。
リーアム・ニーソンは50才を超えてから孤独なスーパーヒーローがお似合いになり、先週の米国興業成績でも「Non Stop」なるアクション映画が第一位になってます。監督は「リベンジ」と同じ人でした。

因みに「荒木飛呂彦の 超偏愛!映画の掟」集英社新書はAmazonに発注済みです。
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Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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