季節の音楽(卯月~その1)

季節の音楽(卯月~その1)
 卯月(その1)は「オスカーピーターソンの新しい世界」を取り上げる。実はこのアルバム「新しい世界」はピーターソンにとっては心機一転のアルバムであった。1960年代初頭にそれまでのレーベル米Verbとの契約が終了した時点で、独電気メーカーSABの社長ハンス・ゲオルグ・ブルナーシェアー氏が直ちに彼と契約を結び、SAB傘下のレコード会社MPSからリリースされたこれらのアルバムを聞いた我々ファンは、その音の芳醇さ、ブルースフィーリング溢れる低音部の柔らかい響き、ピーターソンの縦横無尽なブロックコードに文字通り「あっと」驚いたものである。それまでのVerbの録音はいかにもアメリカ・ジャズという「黒さ」に満ちおり、総てが傑作ではあるものの、ファンとしてはそのレコード数の多さも合ってか、ある意味のマンネリを感じて若干の不満を持っていたのも事実であった。
 実はブルナーシェアー氏はピーターソンの友人であるばかりではなく、自宅にスタジオを構えて、彼を招き、少数の友人を加えて「ミニ・ライブ」を開催していたのだ。そしてその模様を着々と録音をしていたのだな。なんちゅう恵まれた生活じゃ。プレイバックを聞いたピーターソンはその「音」がいたく気に入ったということで、契約が成立したという。  
 このMPSのアルバムは音質の素晴らしさもあるが、ピーターソンの温かいヒューマンな演奏にもファンは感動したものである。サイドメンはVerb時代とは異なり、ボビー・ダーハム、サム・ジョーンズという布陣であるが、実はこのメンバーで1989年4月20日にブルーノート東京に出演したのを小生は幸運にも見ている。あれだけ身近にピーターソンの巨体を観た(というか感じた)のは初めてであったし、そのピアノの音とともに忘れがたい経験であったのだ。それで卯月に良く聴いているわけである。

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Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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