魔法のカクテル

(JASON通信アーカイブ その4)
 魔法のカクテル/ミヒャエル・エンデ/岩波書店(1993年5月10日付け)
 ネバーエンディング・ストーリィでつとに有名なM・エンデの長編の登場である。一口に言えばアダルト・ファンタジィの傑作である。つまりは「大人の童話」なんであり、わが国では最も馴染みの無い日本人の苦手とするジャンルという事。従って本書は「童話本」として区分されるから、本のタスキには「小学4年生以上」なあんて書いてある。お笑いでしょう。これは岩波さんのジョークとここは理解しましょう。
 お話の始まりは大晦日(ジルベスターという)を迎えようとしている悪魔(悪魔と大晦日とは一体なんじゃい、と思われる方はこの手の本とは無用の人である)が悩んでいる。何を悩んでいるのかとゆーと、地下の大魔王と契約したその年の内にしなければならない悪事が達成されていない事。海洋汚染とか、砂漠化とか、民族紛争とか、テロとか、ハイジャックとかが予定の件数に至ってないのである。あははは愉快ですね。しかも突然彼の叔母さんが訪ねて来て、このお方も達成できそうになくて悩んでいるのだが、二人して人類を滅亡させるカクテルを作り始める。これを真夜中までに水道水に入れれば良いのである。というところで正義の騎士登場と成り、これが猫と鳥。つまり動物達だけは彼らの悪事を関知していたという上手い設定なんである。であるけどこの二人(二匹か?)は自意識過剰、誇大妄想狂、弱虫、というどうしようもなく頼り甲斐の無い連中なのである。従って物語はあちこちでズッコケ、ひっくり返り、波乱万丈、荒唐無稽、支離滅裂というJASON好みに展開して誠に痛快なんであります。もうサイコー!蛇足ながら挿絵も素晴らしく、字も大きいから(童話だもの)老人向けでもあります。(筆者注・・・2012年現在も岩波書店より単行本として発売中。尚、小学4年生以上という但し書きも健在?である)
スポンサーサイト

テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード