ボンベイの踊り子たち

(JASON通信アーカイブ その3)
 ボンベイの踊り子たち(1992年6月 WOWOWにて視聴)
 近年のベストに入るであろう優れたドキュメンタリーである。それもそのハズで脚本はあのジェームス・アイボリィ(!)なのだ。インドのボンベイ市の一角にあるスラム街~スラム程ではないかも知れないが古びた巨大なアパート群~が舞台である。人々の夜の娯楽は若い女性の踊りを観に行くこと。それは各家庭(!!)で行われているのだ。帷(とばり)が降りる頃になると、家々には音楽師達が三々五々楽器を携えて集まって来る。準備が整えば家の娘たちが唄い踊る。そして男たちがやって来て金を落とす。人気のある家は超満員である。一家の生活の糧は一重にこの娘たちにある。だから踊りのスクール(と言ってもこのアパートの別の場所)に通う。有名な先生は人気がある。そのレッスンはかなりキツいが娘たちは一生懸命である。上手くいけば金持ちの二号さんになれるかも知れない。そうすれば家には莫大な金が転がり込む。老後も安泰というわけだ。男の子も楽器の天才(?)が家から出ればまた収入が増える。家といっても狭いアパートの一室である。客用のマットが隅に敷かれ、中央は踊り場である。娘たちが順番に歌い踊る。客から時々金が出ると女将(即ち一家の母親)がスーと手を出して取る。さてトリはその女将の歌である。朗々と力強く唄う。言葉なんぞ判らなくてもその迫力には圧倒される。インドの唄と踊り、そのルーツがここにある。
 アパート群は賃貸であり、家賃を取って回る男が居る。勿論家主はそこには住んでいないから代役の集金人みたいなものである。その男が物語の導入を受け持つ形で、この台詞にアイボリィのセンスが光る。仕事上、アパート全員の状況を常に把握しているというこの男も昔は踊りの一聴衆に過ぎなかったという。なんか凄いものを垣間見てしまった、そんな気にさせる作品であった。
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Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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