パラノーマル・アクティビティ

パラノーマル・アクティビティ(2007年米国映画)
 製作が2007年なのに全米公開で一位になったのが2009年。監督が私邸を使って無名の俳優たちを起用し僅か一週間で作り上げた挙句、制作費150万ドルにもかかわらず一億5000万ドルを稼ぎ出したというのがこのホラー映画である。全編ホームビデオを使った今流行りのPOV(Point Of View)映像で撮られている。これは例のBWP(ブレア・ウイッチ・プロジェクト)なるホラーが先駆けとなったアレである。
 お話はいたってシンプルで、カップルの女性の方の霊体験を実証しようと彼氏が彼女をカメラで撮りまくる。特に寝ている間とかは有用と思われ、事実色んな現象が撮影される。しかし映像的には怖いものが実際に写るわけでもなんでもないのだ。これがこの映画のポイントであって、唐突に起こる不可解な出来事(ドアが開いたり閉まったり影が横切ったり)とその音響で観客を「びっくりさせる」ことにひたすら集中しているわけだ。先ずは一日の始まりから終わりを規則正しく何度も描く。これで観客はそのリズムに嵌ってしまう。よって不可解な出来事が際立つという寸法なのだ。だから主人公たちの生き様や性格など出来事の合理的な説明に役立つ情報は完璧なまでに無視される。というかこの場合「必要ない」のだ。逆にそうした情報に拘れば、この映画はとてつもなく退屈になってしまうだろう。
 びっくり映画に徹底的に拘るとこういう手法もありなんだと妙に感心してしまった。ヨーロッパでは予告編を見た子供が失神したとかでクレームがついたそうだが、それもこれも「怖がらせること」に集中したプリミティブな演出の所為であろう。いわば心霊写真、心霊ビデオのような際物を徹底的に突きつめた作品といえるのかも知れない。正直怖い映画である。
 尚、スピルバーグがラストシーンを改変させたエピソードがあるという。旧来のラスト(DVDに収録されている)では作品の雰囲気がぶち壊しになることを彼も判っていたのだろう。
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テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

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わが家ではいまひとつ評判よくありません

次女がボーイフレンドと映画館で観て、2人とも寝た、と言い、長男の友人はDVDを借りて見ながら眠ったという。それを長男が借りてきて見ていたのを、ラスト10分ほどだけ見ました。ついでに別バージョンのラストも見ました。
途中を知らないから何とも言えませんが…、どちらもこんなラストなら、やはり見ないでよかったかなあ、なんて思ったのですが、次女はあらためてDVDを見直して「怖い」と言ってました。たぶん、没入できないと、だめなのでしょう。

No title

ディックさん

コメントありがとうございます。

この映画が怖いかどうかは、どうもホラー映画がどうのこうの
ってレベルでは無くて、観る人の価値観や性格?によるのだと
思います。

確実に言えるのは「肝の据わった人」は怖くなくて、たぶん
相当つまらない映画になると思います。

幼少の頃のトラウマなんかも影響しているみたいです。
プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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