レイ

レイ(2004年 米国映画)
 2004年のアカデミー主演男優賞をJ・フォックスが勝ち取ったことでつとに有名となった映画だが、同時に偉大なシンガーソングライターであるレイ・チヤールズの自伝的作品で、本人が存命中に制作されていたのも周知のことであろう。フォックスは本人からの太鼓判を貰っていただけあってその演技は素晴らしい。
 私のレイ・チャールズ初体験は1962年の大ヒット「愛さずにはいられない」(I Can't Stop Loving You)であるが、これが長年契約していたアトランティックからABCパラマウントに移籍したあとの初めの曲でしかも今までのR&Bとは全く違う「カントリー&ウエスタン」への新たなる挑戦であったのだ。彼は実のところR&B音楽の創設者というだけでなく、ポピュラーミュージックの方向性を示した正にジャンルを超えた存在だった。結局この路線上にシュープリームスがあったりするのだ。
 さて映画では彼の1950年代の音楽、即ちゴスペルとブルース(含むブギウギ)の融合のあたりをかなり詳しく描いてくれるのでその手のファン(小生含む)にとっては狂喜の世界が展開する。土曜日の夜はセックスや麻薬を中心としたブルースを楽しむ同じ人が翌朝日曜日の教会ミサでクリスチャンとしてゴスペルを敬虔に唄う、というこの矛盾を見事に解決してみせたのが彼の音楽の真骨頂だろう。
 盲目であるというのは付けたしのエピソードでしかない筈なんだが、監督のテーラー・ハックフォードはこの要素を「おいしい」と感じて極めて感傷的に処理したためレイの音楽の偉大性とのアンマッチを生じてしまった。これでハックフォードはオスカー(監督賞)を逃したんでしょうな。
 ところでクリスマス・ベイビィの作曲者で知られるチヤールス・ブラウンなる歌手は1940年代は結構有名だったことが分かったり、セッション前に皆が三々五々集まってくる間にレイがベートーベンの14番のソナタをポロポロ弾くあたりは印象的なシーンであった。圧巻は電気ピアノを弾いて唄いまくる「ホワッドアイセイ」であることは誰の目にも明らかでこれは長く語りつがれるでありましょう。音楽ファンは何度でも必見の映画であります。
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テーマ : ミュージカル映画
ジャンル : 映画

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Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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