権力に翻弄されないための48の法則

権力に翻弄されないための48の法則
 日曜日はその他ということで本を取り上げる。「権力に翻弄されないための48の法則/R・グリーン&Y・エルファーズ(角川書店)」である。原題はthe 48 Lows of Powerという。つまりパワーを得るための法則という訳である。それがどうして「翻弄されない」になってしまうのか。この邦題は少々地味だが中々意味深長である。平たく言えば成功するための秘訣集、金言集、ノウハウ本なのであるが、視点をパワーに置き、パワーを得る方法、活用方法など一歩突っ込んだ内容になっている。と言いたいのだが、実は本書は48Lowsの具体的事例を古今東西の歴史的事実の羅列で示しているのだ。それも我々の殆ど知らない秘話に近いもので、空間的には地球全土!に及び、時間的には紀元前から1980代年迄と無茶苦茶に幅広い。古代ローマ帝国のカエサル、徳川家康、千利休、ナポレオン、キッシンジャーなどの有名どころは勿論、その史実(?)が陰謀モノとして第一級エンターテインメントに仕上がっており、これまた滅法面白いのだ。そして壮大な史実の後には世界中の童話、民話、訓戒集などの意味深なエピソードが(小文字で)ひっそりと添えられているという心憎い演出もある。殆どが一国のリーダーの話であるから、我々庶民は「翻弄されて」いるに相違無い。そこで本書の邦題となる訳である。
 例えば「多くを語るな」という法則がある。解説として「語らないことこそ、相手に脅威を与える」とあり、「人間誰しも話したがる傾向に有るが、それをあえて押さえるパワーこそが大事」と結ぶ。そして法則を守った場合の歴史的史実、守らなかった場合、と続き、ポイントや考え方などが補足される。最後は民話や有名人の格言などで締めくくられる。
 また、「努力のあとは微塵にも見せてはいけない」というのがある。人は自らが如何に苦労したかを語りたがるが、それは相手に自らの成果をみすぼらしく見せる以外何の効果も与えない。むしろ苦労の中に本人の「ノウハウ」があったりすればすぐさま盗まれてしまう。成果はどのように成し遂げられたかが分からないが故にパワーとして燦然と輝くのである。うーん。納得してしまいますねえ。
 こうした話が48集められ整理されている状態は壮観ですらある。言い換えればこれこそが人類史のレジメなのかもしれない。歴史を勉強するのなら年号や天皇の名前を覚えるより、陰謀渦巻く宮廷(宮廷こそが世界であった)紛争、戦場における虚々実々の駆け引き、などの根元である「パワーのノウハウ」を学んだほうが良いかもしれない。即ちそれが「歴史から学ぶこと」の本質なのであろう。
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はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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