遺品整理屋は見た!/吉田太一

遺品整理屋は見た!/吉田太一(扶桑社)
 人間はその生命活動を停止した時点から「疎まれる物体」に変貌する。この事実を生きている間は存外認識しないものである。しかし疎まれる物体は周囲に様々な悶着や騒動を引き起こす。そこで登場するのが遺品整理屋というわけ。遺品の中には遺体も含まれる場合があるからだ。
 人が死ぬということは様々な“モノ”を“残す”からやっかいだ。すっかり片付いた住居など殆ど無いに等しく、中には遺体同様の惨状すらありうる。大体彼の世話になる人間は正常の暮らし?を営んでない場合が多いからで、一人暮らしなど発見に時間が掛かり、親類縁者も中々見つからない。彼に依頼するのは遺体の肉親よりも大家さんが多いのはその所為であろう。更に連絡が付いた肉親でも「立ち会いたくないので後はヨロシク」みたいな場合が殆どなのだ。よってそこには尋常ならざるドラマがあるのであって、それがこの本の真髄であろう(尤もこの本が尋常になる日々も近いか?)。
 ホラー映画真っ青な描写に腰を引く読者のおられると思うが、これは紛れもない“現実”である。作者は日記程度のつもりでブログに認めていたものを要請から本にしたという。よってかなり口語体?的文章であるが、その真実は現代の闇を描いて余りある。
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JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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