闇の子供たち/ジョン・ソール

闇の子供たち/ジョン・ソール(扶桑社)
 今回も本を紹介する。1990年の作品。ソールお得意の「子供虐待?サイコドラマ」である。原題は「Second Child」。上流階級のチャールズは同じ世界のポリィと結婚しテリィが生まれる。しかしポリィは上流階級に馴染めず自由奔放な生き方を望み、結局は離婚してテリィ共々引っ越してしまう。反面テリィは上流社会に強烈な憧れを持ち、何とか戻りたいと考えている。そしてポリィと新しい夫は突如襲った火災で焼死してしまう。当然テリィはチャールズの元へ。しかしそこにはチャールズの新妻フェリスとその子供メリッサが待ち受けていた。この親子が異常な状況なのだ。フェリスは元使用人であり、上流社会へ何とか入り込もうとしているにも拘わらず、メリッサは一向に社交界に出たがらず、二重人格で内気なのだ。当然親子は対立し、作者お得意の「児童虐待」に発展する。ここはほんまに怖い。メリッサの失態とフェリスのお仕置きの繰り返し。どちらが悪いというのではない描写が旨く、やるせのない恐怖が襲ってくる。そこへやってきたテリィは実は策士であって、メリッサを追い出すべく様々な仕掛けをする。メリッサの二重人格(もしくは霊??)である大昔にその土地で行方不明となったダーシィが複雑に絡み物語りのテンションはどんどん上昇する。いやはや面白いですわ。
 反面文句を言わせてもらうと、男性陣の描き方がワンパターンなのだな。只管メリッサの味方になる父親チャールズもなんか非現実的だし、彼女たちを取り巻くプレッピー(死語か?)の男どももいまいち描写不足の感を免れない。しかしである。これは嵌まりますなあ。お奨めです。
スポンサーサイト

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード