スクリーム4

スクリーム4(2011年アメリカ映画)
 本ブログ久々のホラー映画の紹介である。本作はシリーズ4弾目とはいうもののスクリーム3からは実に11年の時を経ている。ということはキャストやスタッフにもその影響が出ている筈なのだが、とりわけ出演者の若々しさはメーキャップ技術の勝利?であり、またストーリー展開の巧さはいつもながら感心させられる。第一作同様に製作と監督はウエス・クレイブン、脚本はケビン・ウイリアムソンという黄金のコンビにその秘密がありそうである。
 お話はホラー小説で人気作家となったシドニーがサイン会ということで故郷ウッズボローに帰って来るところから始まる。というか実はスラッシャー・ムービーのスタブというのを題材としたビデオを見ている二人の女の子に殺人予告電話が掛かってきて云々・・・というシーンが冒頭に何度か出てくる。これはおふざけなのだが出演者も豪華(トゥルーブラッドのアンナ・パキン、シークレット・サークルのブリット・ロバートソンなど)なら台詞も気が利いていて楽しめる。オードブル(前菜)としては実に上出来なのだ。
 そして本題。成功した人間が故郷に帰って来ると殺人が起きる、というのは横溝正史の例を出すまでもなく古今東西のミステリーの典型であろう。そして登場人物も昔懐かしの面々。加えてホラーマニアのオタクが登場し、ホラー映画のクイズに始まりその薀蓄が繰り広げられてホラーファンは何時もとはいささか趣向の異なる(スプラッター的でない)「知的な楽しみ方」を享受できるという仕組み。これが素晴らしい。勿論本編も殺人鬼は一体誰?という大事な謎を最後までしっかり保持して一片の揺るぎも無い。大したもんである。この手の作品にありがちなパロディや乱痴気騒ぎは要領よく短時間でまとめ、サスペンス・ミステリィとして実に良く練り上げられている。例によってウエス・クレイブンの色彩や映像への非凡な拘りが効果をあげ秀作に仕上がっております。因みにこの後に製作のみを担当した「ザ・リッパー」(My Soul to Take)とは雲泥の差である。
 尚、作品中に殺人鬼から「好きなホラー映画は何か?」というメッセージが何度か出てくるが、この場合のホラー映画は原語で言えば「スケアリー・ムービー」というのだそうな。
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テーマ : ホラー
ジャンル : 映画

季節の音楽 長月

季節の音楽 長月
 季節の音楽 長月はジャック・ルーシエのゴルドベルク変奏曲を採りあげる。プレイ・バック/プレイ・バッハで1960年代後半に一世を風靡したジャック・ルーシェ伯父さんのゴールドベルク変奏曲で録音は1999年パリである。
 プレイ・バッハってのをご存知の方はもう少なくなってしまったかもしれない。バッハをジャズってやろう、というのが基本コンセプトであるが、フランス人らしい洒落た感覚を持ち、しかも様々なバッハの作品を取上げているのも大きな特徴である。デビューは確か「トッカータとフーガ 二短調」だった記憶がある。次にインベンションとシンフォニアあたりで、イタリア協奏曲もあったなあ。パリはオランピア劇場でのライブでは「ピアノ協奏曲第一番」なる超マイナーな曲だったため聴衆はいつ終わったのか判らなくて困惑した拍手があちこちに入ってたのを思い出す。
 さてその彼がバッハの生誕250年記念にちなみ満を待して録音したのがこの「ゴールドベルク」なのだ。これが実に素晴らしい期待以上の内容なのである。32の変奏曲を様々なリズムで聞かせるだけでなく、一音一音に生命を吹き込むが如く、実に丁寧に生き生きと奏でていて、ついつい引き込まれてしまう。もう円熟の境地なのでしょうなあ。グールドに加え、またまたゴールドベルクの名盤が誕生したことを喜びたい。
 このアルバムはその昔単身赴任で上京する際によくカセットで聞いていたものだ。早朝に新大阪駅をスタートする際に聞き出して丁度名古屋あたりで終了し、その後は爆睡モードに突入というパターンを繰り返したわけ。出だしのアリアを聴くと何故か初秋の頃の新大阪の駅の景色がどうしても浮かんできてしまう。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

タイタニック

(JASON通信アーカイブ その11)
タイタニック(1999年12月WOWOWにて視聴)
 ようやく観ました。昨年(1998年)に大ヒットした海洋スペクタクル作品である。とにかくジェームス・キャメロンのフィルムメーカーとしての力量が遺憾無く発揮された秀作である。
 本作はドラマとか演出ではなく、圧倒的な映像美学に酔わされる作品である。しかも精緻かつ計算され尽くされた構成で180分を一気に見せる。テーマは「悠久の時間の流れに逆らえない刹那さ」であり、その中心にある男女の愛は、時間により丁度タイタニックが真ん中から折れるように、引き裂かれるのである。このテーマはキャメロン監督が「ターミネーター」以来求めてきたものと全く同一である。今回はとてつもないスケールでそれを描いたのだが、本当にやりたかったのは世紀の大パニックであろう。
 現在と過去を交差する構成もさりげなく取り入れているし、登場人物も特別異様な人間はおらずごくごく普通の人たちとして描かれている。ここは悪人も善人も居ない。タイタニックが主人公なのだ。だからどうしても映像に目がいってしまう。キャメラは巨大なタイタニックを様々な角度から生き生きと捕えている。そして沈没シーンではタイタニックより更に巨大(広大)な北極海と星空に視点は移る。更に沈没後は逆に北極海に浮かぶ凍り付いた人間達に極度に接近したアングルを撮っている。こうした視点の移動シークエンスが実に快感なのだ。しかも音楽は殆ど無く(楽隊の調べも一定で環境音にちかい)、実際の声や騒音などでそのリアルさを醸し出している。つまりこの作品は究極の職人芸みたいなものなのだ。主演が誰とか、主題歌がどうのこうのとかは全く関係ない。大袈裟で、もっともらしく、それでいて妙な現実感のあるドキュメンタリイ映画なのである。キャメロン節に酔うてておればよい傑作である。

テーマ : 心に残る映画
ジャンル : 映画

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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