ピアニスト・ヘブラーの芸術

ピアニスト・ヘブラーの芸術
 先週日曜日(1月23日)の朝にNHK-FMのクラシック番組「名演奏ライブラリー」で女流ピアニストのイングリット・ヘブラーを特集した。ヘブラーというピアニストはクリアーで清廉な音色を特徴とし主にモーツアルトの作品を得意としていた。1960年代に録音されたモーツァルトのピアノソナタや協奏曲のアルバムは当時ある意味「定番」といっても良い存在であった。
 この日はそうしたモーツァルトのソナタやシェリングとのヴァイオリンソナタ、シューマンの協奏曲、シューベルトのアンプロンプチュなどが紹介されたが、最後がハ短調のピアノ協奏曲24番K491。これはNHKアーカイブによる2001年の来日のライブ録音であって、彼女の千変万化なアドリブ(というと語弊があるやもしれぬが)が堪能できる超名演であった。特に第二楽章は各旋律の終わりに入れるフェイクが素晴らしく、いわば「技が決まっていた」のである。この時彼女は75歳であったという。是非CD化をお願いしたいものだ。
 小生はこれより前1996年頃の来日のリサイタルのライブをやはりNHK-FMで聞いたことがあった。それはモーツァルトの有名なK331の「トルコ行進曲付」のピアノソナタだったのだが余りの素晴らしさに夕食の箸を止めて暫し没頭してしまった記憶がある。つまり音楽の作り方に妙があり、極めて自然にモーツァルトの世界に引き込まれてしまい、結果として大きな感動をもたらすことに成功していたのだ。それは思い入れたっぷりのL・クラウスやシンプルなタッチのW・ギーゼキングとはモーツァルトへのアプローチが全く異なっている。そして前述のK491の演奏にもそのスピリットが十二分に生かされていたように思う。
 さてこの名演奏ライブラリーでは司会者が最近は来日の予定が何度かキャンセルになったことを告げていたが、よく考えれば御歳85歳ということであるから無理からぬことかもしれない。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ディセント2

ディセント2(2009米国映画)
 洞窟ホラーという新たな?ジャンルを開拓したディセントの続編である。これは女性ばかりのメンバーがこともあろうに洞窟を探検する、という設定が極めて斬新でしかも各人の個性が良く描き込まれるている為、妙なクリーチャー(食人鬼)のご都合主義も鼻に付かず、「人生の不幸もこの抜け出られない洞窟と同じや」なんていう哲学めいた考えも結構説得力をもって迫ってくる完成度の高い異色のホラー映画であった。結果として監督のN・マーシャルの評価は高まったといってよい。
 本作はその第二弾であり、一人生き延びたサラの救出シーンからお話は始まる。あろうことか保安官は救援隊に彼女を参加させる(道案内のため)のだ。このあたりの強引さは観客が「そんな馬鹿な話があるわけない」ということより「サラが参加すれば絶対おもろうなる」ということに軍配を揚げてくれるだろうという「読み」があるわけで、まあ我々は不承不承納得してしまうのであります。
 他の救援隊メンバーは洞窟探検は初めてだから当然災難が雨あられと降り掛かる。クリーチャーもばんばん登場し、グチャメロ・スプラッターシーン目白押しの場面は前作を遥かに越え実に頼もしい限りなのだ。何より洞窟の閉塞感をひしひしをと体感させる手腕は大したもので、音響のドルビー効果と相まって見ているだけで息苦しくなってくる。
 ところが、凝れば凝るほどフツーのホラー映画に近くなり、展開に先が見えてくるのも事実で、後半はお話自体にいささか新鮮味が無くなってくる。特に最後のオチは更なる続編のために付け足したようなものでいただけぬ。本作は続編としてテンションは落ちていないものの何となくカタストロフィーが不在なのが不満として残ったのでした。

テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

季節の音楽 (睦月 その1)

季節の音楽(睦月その1) 
 季節の音楽(睦月その1)はグルミオーのモーツァルトのヴァイオリンソナタK304を採りあげる。モーツァルトはヴァイオリンソナタを40曲近く作曲しているが、演奏されたり、録音されているのはごく限られた数曲だけである。アルトゥール・グルミオーのヴァイオリン、クララ・ハスキルのピアノで録音されたアルバムも6曲だけである(尤もライブの音源が後少しあるようだが)。中でもロ短調のK304は物悲しい雰囲気で始まるものの次第に力強い感興に溢れてくる名曲である。曲は極めてシンプルな二楽章構成だがそこには当然モーツァルトらしい人生のドラマを描いて余りある内容に満ちている。またヴァイオリンソナタと称してはいるが、ピアノは伴奏ではなくて室内楽の如く対等に位置しており両者揃って音楽を作り上げることが必須となっておる。レコードも多種多様に出ているがやはりグルミオー&ハスキルのコンビがその優美な響きで他とは一線を画する素晴らしい内容である。
 このレコードを初めて聴いたのがFMからの録音で1970年代初頭の正月であった。その頃は未だ石油ストーブで暖をとっており、ある時期は帰宅するとストーブと共にこの録音テープで文字通り「暖をとって」いたものだ。後年上記6曲を収録した2枚組みのLPが出た際には即刻ゲットしたのは言うまでもない。
 蛇足ながらグルミオーは晩年にワルター・クリーンと10曲近くを再録音している。これは枯淡の境地とも言うべき別の意味での名演であるが、小生としてはハスキルとのコンビであるこの1950年代末期の録音の方に心惹かれるものがある。
 更なる蛇足としてこのK304のソナタは小生が数年前ヴァイオリンの発表会でエントリーしていたものの急病で演奏を断念した因縁のある曲でもある。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ホームページの裏話(80)

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ホームページの裏話(80)
 明けましておめでとうございます。本年もこのブログを宜しくお願い致します。
 さて今回は現在アップ中のチェリーとジャンヌ「トミーとウイルの物語」についての第二弾である。このお話は本編「チェリーとジャンヌ」の連載と密接な関係があり、トミー君の生い立ちが描かれているのだが、その他にも重要な要素がある。それはトミー君が大きくなってからUFOに遭遇して異世界を訪れ既に亡くなった人々と再会するするシーンがあるのだが、そこで出逢うメンバーが今回総て登場しているのだ。それはトミー君の父親、母親、そして師匠のウイルである。
 このUFOのエピソードは更に現在「飛行中の宇宙船」とも関係しており、つまりは「トミーとウイルの物語」は単独で切り離されているように見えるけれども、実際は微妙に繋がっているかなり重要な内容であると言いたかったのです。

テーマ : イラスト
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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