レイジ34フン

レイジ34フン(2005年独・英映画)
 独・英合作の地下鉄ホラー。原題はCreeps、即ち蠢(うごめ)くもの、とでも言いましょうか。地下鉄の終電に乗り遅れ、駅構内に閉じ込められたうら若き?女性が遭遇する世にも怖いハナシって書くとそのまま映画の陳腐なコピーとなってしまう。
 地下鉄構内に澄み暮らす異様な風采の殺人鬼は最初殆ど姿を現さない。それでも恐怖を盛り上げられるかというと、実はダメでよって前半は相当だるい。しかし、監督のクリストファー・スミスは後半からテンションをドンドン上げて、俄然面白くしている。つまりは対決の構図がはっきりしてくるからで、映画は先ず対決がなきゃいかんのだ。殺人鬼はどうやら不遇に生まれたフリークスらしいのだが、その棲み暮らす所は完全に「悪魔のいけにえ」の世界である。なぜ人々を拉致して殺すのかという物理的、心理的、根本的、学問的、理由は一切語られない。しかし下水やねずみの汚さ、悪臭なんかは伝わってくるからこれはやはり欧州映画(のリアリズム)なんでありましょうか。
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テーマ : ホラー
ジャンル : 映画

遺品整理屋は見た!/吉田太一

遺品整理屋は見た!/吉田太一(扶桑社)
 人間はその生命活動を停止した時点から「疎まれる物体」に変貌する。この事実を生きている間は存外認識しないものである。しかし疎まれる物体は周囲に様々な悶着や騒動を引き起こす。そこで登場するのが遺品整理屋というわけ。遺品の中には遺体も含まれる場合があるからだ。
 人が死ぬということは様々な“モノ”を“残す”からやっかいだ。すっかり片付いた住居など殆ど無いに等しく、中には遺体同様の惨状すらありうる。大体彼の世話になる人間は正常の暮らし?を営んでない場合が多いからで、一人暮らしなど発見に時間が掛かり、親類縁者も中々見つからない。彼に依頼するのは遺体の肉親よりも大家さんが多いのはその所為であろう。更に連絡が付いた肉親でも「立ち会いたくないので後はヨロシク」みたいな場合が殆どなのだ。よってそこには尋常ならざるドラマがあるのであって、それがこの本の真髄であろう(尤もこの本が尋常になる日々も近いか?)。
 ホラー映画真っ青な描写に腰を引く読者のおられると思うが、これは紛れもない“現実”である。作者は日記程度のつもりでブログに認めていたものを要請から本にしたという。よってかなり口語体?的文章であるが、その真実は現代の闇を描いて余りある。

テーマ : 紹介したい本
ジャンル : 本・雑誌

バットマン・ビギンズ

バットマン・ビギンズ(2005年米国映画)
 今までのティム・バートンのシリーズを一新した内容で、監督はクリストファー・ノーラン。「メメント」で注目され「イムソマニア」で絶賛されたお方です。主演はアメリカン・サイコでお調子者のプレッピー殺人者がハマっていたクリスチャン・ベール。競演がまた豪華でマイケル・ケインに始まりリーアム・ニーソン、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン、ルトガー・ハウアーと並ぶ。この顔ぶれでニヤリとした人は相当のミステリーマニア(映画マニア)と言っても良い。
 さて本作はヒーローのブルース・ウエインが何故にバットマンになったかを描く前半、即ち渡辺兼が演ずる師匠の禅寺みたいなところで修行を積むくだりはもう超退屈であります。何度挫折の危機に見舞われたか分かりまへん。しかしお立会い、話しが一旦バットマンにフォーカスされると善人悪人老若男女入り乱れての展開がもう堪りません。悪人はそれこそ狂気一歩手前だし、恋人役の可愛子ちゃんは田舎娘丸出しだし、総てはステレオ・タイプで安心して身を委ねることが出来る。そしてラスト・シーンはスパイダーマンを相当に意識した内容で笑えます。しかもノーラン先生は続編「ダーク・ナイト」を監督しその評価を決定的にしたそうな。

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

ジャズ・パラダイス(スタンリー・タレンタイン)

ジャズ・パラダイス(スタンリー・タレンタイン)
 テナー・サックスの大御所である。マイルスのクインテットに居たころから注目されていたが、その骨太の音色は正にテナーの巨人に相応しい。小生は後年のCTIのアルバム「チェリー」でそのファンキーな演奏に痺れまくったわけだが、そこを糸口として「シュガー」などCTIモノはあれこれ聞き倒した。CTIの洗練かつ計算されつくしたようなサウンドにいきなりワイルドなテナーが乱入するみたいな構図と思いきや、これまた意外に溶け込んでいるあたりに彼の秘密があるやも知れぬ。更に前回のスリーサウンズと共演した「ブルーアワー」(ブルーノート)ではソウルフルなこと夥しく、咽び泣くテナーが溜まりません。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

ホームページの裏話(21)

マミー
ホームページの裏話(21)
 今回はアメショー君の性格について。彼がサックス・プレーヤーを目指したのはマザコンだったからだという。早くにお母さんを亡くしその悲しみが余りに大きかったために音楽家として大きな飛躍のもとになったらしい。そのマザコンぶりはステージでテディ・ベアのぬいぐるみを着けていることからもお分かりいただけると思う。因みにアメショー君の頭に生えている三本の髪の毛?もこれまた母親譲りである。その髪の毛のイワレについてはもうすぐアップする9月号で明らかにされるのでお楽しみにしていただきたい。HPは「チェリーとジャンヌ」です。

テーマ : イラスト
ジャンル : 趣味・実用

カクテル・ストーリー(コンチータ)

カクテル・ストーリー(コンチータ)
 テキーラベースのカクテルでテキーラ30ml、グレープフルーツ・ジュース20ml、レモンジュース2ティースプーン、をシェイクすれば出来上がり。テキーラとフルーツジュースの相性はぴったりだから、実にフレッシュな味わいが楽しめる。ウオッカを使ったソルティドッグは深みのある味だが、コンチータは解放感のある感じで、正にリゾート地向け。プールサイドで一杯やるのにぴったりだ。名前の由来ははっきりしないが、どうやら人名らしい。

テーマ : お酒
ジャンル : グルメ

季節の音楽(葉月 その4)

季節の音楽(葉月 その4)
 季節の音楽(葉月 その4)はブライアン・イーノの「宇宙へのフロンティア」を取り上げる。ブライアン・イーノの属する音楽ジャンルを特定するのはかなり難しい。しかし、このアルバムだけを見れば「シンセならではの音(機械音とか)を使った音楽」ではないだろうか。
 優れたドキュメンタリー映画である「宇宙へのフロンティア」はアポロ13号の月着陸を挟んだ言わば実写版宇宙映画である。画質は相当酷いが何しろSFXでは無い迫力を孕んでいて他の追従を許さない。こうした映像にマッチする音楽は当然旧来のものでは不足である。因みにキューブリックの「2001年宇宙の旅」は“作り物”ゆえにシュトラウスなどの既存の音楽と合う訳なんである。さてこのサウンドトラックは一部、二部に別れ絶え間の無い旋律が延々と続く。途中でカントリー風、ジャズ風などが見え隠れするものの大体は機械音に近い「シュールな音」が続く。
 1990年頃の夏休みに入る前に職場の某君がこの作品のLD(レーザーディスク)を80インチスクリーンに映すという言わば映画会を就業後に企画。小生は早速参加してその映像と音楽に瞠目したものだ。某君はLDだけでなくLPも所有していたから早速カセットにダビングし直ちに愛聴テープになった次第である。またその頃は新幹線の出張の際に繰り返し聞いていたためか、夏の夕日のイメージが強い。

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

バフィー・恋の十字架

バフィー・恋の十字架(1997~2003)
 昨年米国ヴァラエティー誌が“近年最も気に入っているテレビドラマ”を一般視聴者から募集したところ、第二位に入ったのがこのバフィーのシリーズであった。第一位はアニメの「ザ・シンプソンズ」だから実写としては一位みたいなもの。つまりはそれほどに“国民的な”テレビドラマなんでしょう。7シーズンまで続いた訳も分るような気がする。蛇足ながらベスト5にはご存じ「24」や「LOST」がエントリーした。
 さて本作は1994年の映画「バッフィー・ザ・バンパイヤ・キラー」をテレビシリーズ化したものであり、題名から分かる様に一口で言えば吸血鬼退治学園ドラマである。サニーデール高校の地下の世界では吸血鬼達が人間世界征服を企み、魔王“マスター”の復活を画策する。生徒達は次々と餌食になっていく。ここに何故かヒロインであるバッフィーが転校してくる。前の学校では吸血鬼退治と称して学校を丸焼けにしたとかで追い出されたてえわけ。これを「ラスト・サマー」なんかで有名なサラ・ミッチェル・ゲラーが好演しておる。この手の映画では、吸血鬼との対決はカンフーというのが定番?と化しているのだが、ゲラーはもともと「テッコンドー」を修得していたというから正にうってつけである。
 設定としてバッフィー自身は最初吸血鬼や魔物退治がいやで堪らず、普通の高校生活をエンジョイしたいと願っている。しかし図書室の先生がいやに魔法などに詳しくあれこれ指示をする。そうこうしている内にスレイヤー(吸血鬼退治のために特別に選ばれた人間)としての“自覚”に目覚めてくる。こうした奇妙なアンマッチ感覚とハゲシイ立ち回り、ゲラーのあどけないフェイス、などがこの作品の真骨頂なのであろう。しかしそうしたアクションシーンの後はごく“ふつーの女子高校生”の生活がリアリティ?をもって描かれる。そのあたりにも人気の秘密がありそうだ。
 尚、わが国では2000年からFOXチャンネルで全シリーズが放映済み。更に2008年からサイファイチャンネルでも放送が開始された。蛇足ながら製作総指揮を担当したジョス・ウエズドンはこの人気をバネに宇宙冒険シリーズ「ファイヤーフライ」を制作し、米国ではかなりの人気を博したがこのほうはわが国ではとうとう放映されなかった。

テーマ : ホラー
ジャンル : 映画

巨泉 人生の選択/大橋巨泉

巨泉 人生の選択/大橋巨泉(講談社文庫)
 司会者?で有名な著者がセミ・リタイア宣言をしたのが20年程前。その後は海外のスーブニールのチェーン店を経営するなどの情報しか入ってこなかったが、そのリタイアの真相に世間が注目?しだし、本著作として登場した訳。まあ一口に言えば「人生哲学」です。それも我が国には極めて「馴染の無い」しかし諸外国では「とーぜん」の部類にはいるというもの。 
 海外では人生の目的が「理想的なプライベイト・ライフ」であるから、いち早くリタイアするのがステイタスなんである。仕事、結婚などの全ての人生項目?はそれに向かっての「手段」でしかない。だから住まいですら投資(即ち売ること)を前提にして購入するし転職は当たり前なのだ。作者の場合、40年近く昔に(楽しい)リタイアを目的に人生設計を始めたところ、たちどころに我が国では実現できないことに気が付いたのであった。
 もともと日本人の老後は「孫の相手」程度であった。何故なら昔はリタイア前後の50才で皆死んでいたからである。しかし、世界有数の長寿国となった今、目的不在で生きてきた人々は一体これからどう生きるのか、極めて重要且つ悲壮な課題である。彼の提案する(楽しい)老後を約束する要素は順番に次の3つ、(1)健康(2)パートナー(3)財産である。大方の人は(1)財産(2)住むところ程度で5番目あたりに健康、パートナーに至っては7番目以降というところか。30年後を見据えた決断というのは日本人の最も苦手とすることだからだ。即ち最悪のケース迄考えるというのは「言霊の世界」ではそれこそ忌避すべきことだし、真剣に対峙するのも「仕事」や「賭け事」でない「人生」となると思考が凍り付いてしまう。つまりは目標達成能力はあっても目標設定能力は皆無という農耕民族の特徴なのであろう。また、農耕民族が故に暮らす場所や生業を変える、付き合う人々を変える、などということは極めて馴染みにくいことでもある。
 そうは言っても結局は人それぞれの生き方であるからして、この本は一つのヒントでしかないという意見も尤もである。しかしながら、我が国は外面的にはどんどんグローバル化するし、長寿国になるし、円は強いし、と変貌を遂げているのに対し、精神面では「大江戸鎖国時代」と全く変わっていないというこの大きなギャップは今後各個人の老後にますます影響を及ぼすことは想像に難くない。その時に「これが俺の生き方じゃわい」と言いきれるかどうか。本作は一個人の生き方を記してはいるものの、これからの日本人にとって重要なテーマを提示した貴重な本でもある。

テーマ : エッセイ
ジャンル : 小説・文学

16ブロック

16ブロック(2006年米国映画)
 主演の刑事役はブルース・ウイリス。つまりはダイ・ハードと設定は非常に似ている。くだんの刑事がたった16ブロック先の裁判所に証人を護送するのに対し、その証人を殺そうとする輩が跳梁するという、極めてシンプルなお話である。しかしシンプルが故にお話の肉付けによっては感動作にも社会派ドラマにもなりうる可能性があるわけだが、職人監督のリチャード・ドナーの実に無駄の無い演出が功を奏し、結果上質のサスペンスドラマに仕上がっている。
 刑事は退職寸前の窓際族でたまたま体が空いていたのでこの任を命じられ、不承不承出掛けて証人の家に入るといきなり弾丸が雨あられと降ってくる、など出だしは極めて快調である。また証人の黒人も事件には関係ない“目撃者”程度の人間なのだ。つまり刑事も証人も“行きがかり上”災難に巻き込まれたという憎い設定が中々良い。将来はケーキ屋をやりたいという黒人の“ささやかな夢”も爽やかな話として効いている。

テーマ : アクション映画
ジャンル : 映画

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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