季節の音楽(水無月 その5)

季節の音楽(水無月 その5)
 (水無月 その5)はバッハ作曲管弦楽組曲第二番ロ短調(演奏:オランダ室内管弦楽団)を取り上げる。バッハのケーテン時代には優れた器楽曲が多いのだがブランデンブルグ協奏曲と並び有名なのが4曲の管弦楽組曲である。形態は協奏曲であるが緩急緩といった形式ではなく、組曲という様々な舞曲や小曲が並んでいる。勿論夫々にはサラバンド、ジーグなどの形式名が付けられている訳だ。
 中でも第二番は特に知られている。フルートを中心とした協奏曲である為だけでなく、バディヌリ、ポロネーズといった曲の持つ極めて親しみ易い旋律の賜物であろう。フルートの持つ特徴を余すところ無く引き出し、しかもある程度のテクニックは披露させ、ダイナミックに展開するあたりはバッハの独壇場である。
 中学二年の初夏の頃の音楽の時間に初めてこの曲のレコードを聴いたのだが、一辺に気に入ってしまい、当時来日していたオランダ室内管弦楽団(コンサートマスターは確かシモン・ゴールドベルクだったと思う)のラジオ放送をテープに録音し、我が家で何度も聴いたものである。しかも年度末の試験にレコードによる「ブラインド・テスト」があり、容易く曲名が回答できたのも今となっては懐かしい思い出である。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

クイーン・オブ・ザ・バンパイア

クイーン・オブ・ザ・バンパイア(2002年米国映画)
 原作はアン・ライス。それもインタヴュー・ウイズ・バンパイアの続編である。レスタトなる現代のバンパイアが主人公。長い眠りから覚めた彼がロックバンドのヴォーカリストとして大成?メディアを通じて世界の同族に呼びかける。「みな出て来い」と。一方ではバンパイアを研究?している女子学生が登場して彼に惹かれていく。それだけではお話としてかなり陳腐である。
 そこでだ。レスタトの呼びかけでエジプトの(バンパイアの)女王アカーシャが覚醒してレスタトを王として自分は女王として世界征服を企む。これをヴォーカリストのアリーヤが怪演&熱演。その迫力たるや大変なものだ。しかも彼女は飛行機事故で亡くなってしまったので文字通りの「遺作」となってしまう。監督マイケル・ライマーの演出は際立っており、血を吸うシーンやアリーヤの登場シーンなど時間をじっくり掛けて中々の出来栄え。しかしである。個々の映像は良いのだが、全体の統一感が余りにも無さ過ぎる。全てが唐突で刹那的なのだな。だから感動が湧いてこない。とはいえアリーヤの登場だけで満足してしまうのも事実なのだ。

テーマ : ホラー
ジャンル : 映画

必殺仕事人2009

必殺仕事人2009
 今回はテレビドラマを取り上げる。一昨日終了した「必殺仕事人2009」である。その昔のリメイクだから各人各様色々と思い入れがあろうと想像される。真っ先に感じたこと。それは放映時間である。確か30年くらい昔では毎週金曜日の21時からではなかったか?その頃の生活パターンが大袈裟に言えば蘇ってきて何となく懐かしくなってしまう。
 そしてドラマの題材であるが、設定は仕掛人・梅安とは懸け離れているものの、正に“池波正太郎している”のだな。彼の名作シリーズ「鬼平犯科帳」「剣客商売」そして「仕掛人・梅安」の要素を旨く抽出して、話として作りあげている。どの作品からとは正確には言い難いものの、“こうゆう風に筋書きは運ぶ筈だな”なんて一人悦に入っている自分を発見したりするわけ。さて最終回はスケール感、意外性などが不足してやや期待外れ。次シーズンは大丈夫かな。

テーマ : 必殺シリーズ
ジャンル : テレビ・ラジオ

ファンタスティック・フォー

ファンタスティック・フォー(2005年米国映画)
 これもアメコミからの映画化。最近ハリウッドでは大流行りである。宇宙ステーションで宇宙線を浴びた4人が変身して超能力を発揮し、地球を救うという極めて分かり易いお話。先ずは段々エスパーになっていくプロセスから始まる。この手の話はどんなエスパーになるか、ということがポイントで「透明人間~下着を取らねば透明になれないので当然ながらジェシカ・アルバの役所」、「軟体人間」「火炎男」「岩石オジン」の設定はなかなかよろしい。
 しかしもう一方の要素である悪人の設定が相当弱い。このお方も宇宙線を浴びて超能力があるのだが、いかんせん「以前の職場の上司」ではつまらないこと夥しい。スパイダーマンでもそうだったが、悪役が元は普通の人間だったとか、チンピラだったとかの設定がアメコミでは多い。感情移入し易い(悪役になった理由が必要だからか?)が為にそうしているらしいが、こと映画では悪役は「出所不明で得体が知れず」「不気味で」「理由もなく悲劇を繰り返す」というのが鉄則なのだ。監督のティム・ストーリーはアメコミのノリをそのまま映画に移植して見事ずっこけたのであります。更に第二作ではエスパー同士の結婚にまで話が発展し「言わずもがな」の状況でがっくり。

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

ジャズ・パラダイス(ミルト・ジャクソン)

ジャズ・パラダイス(ミルト・ジャクソン)
 ジャズ・バイブ(ヴィブラフォン)の大御所。そのファンキテイストと知的で落ち着いた感覚が微妙なバランスを保っているのが特徴である。
 1970年頃までは自らMJQなるユニットを組織して数々の名盤をリリースしてきた。このMJQは全員黒人であるばかりでなく演奏会は全員タキシード姿ということでも注目を引いた。MJQはジョン・ルイスの落ち着いたピアノ、ロン・カーターの安定したベースランニング、ドラムスのコニー・ケイのブラッシュワークの上に綺羅星の如く流れるジャクソンのバイブが特徴で、黒人ジャズというより大都会のしじまを彷彿とさせる全く新しい音楽であった。小生はMJQの(何回目?かの)解散コンサートをブルーノート大阪で体験している。まさに時代とジャンルを超えた素晴らしいギグであった。
その彼がユニット解散後もCTIのフュージョンアルバム、パブロのピーターソンなどの競演アルバムで大活躍したことは未だ記憶に新しい。惜しくも先年亡くなったがその音楽は永遠に独自性を保っている。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

ホームページの裏話(12)

アメショー
ホームページの裏話(12)
 今回は登場するネコ達の衣装について。今まで見て頂いた方にはお分かりかと思うが、上半身に衣装を着せている。ネコ達を擬人化する場合、ズボンとかスカートとかを履かせてしまうと、どうしても動きがぎこちなくなる。作者としては動きは「ネコらしく」あって欲しいのである。 
 またネコの表現手段として「尻尾」というのがあり、これも下半身に衣装を着けてしまうと表現し難くなってしまう。ご存じのようにネコは喜怒哀楽が激しい時には尻尾はピンと伸びるし上に向かうけれど、いつものリラックスしている時はだらりと垂れさがっている。以上の理由で上半身だけに衣装を着けているわけだが、これからも新しい猫たちが登場するし、その時の衣装についても是非ご着目いただきたい。(アメショーの渦巻き模様も見てね)。

テーマ : イラスト
ジャンル : 趣味・実用

カクテル・ストーリー(XYZカクテル)

カクテル・ストーリー(XYZカクテル)
 エックス、ワイ、ジーカクテルと呼ぶ。つまりこれ以降はありえない「究極のカクテル」というわけなんでありましょうか?
 ラムベースだが、ラム酒はスピリットの中でもどちらかというとあっさり系であるから、合わせるリキュールなどの配合がポイントとなる。レシピはラム酒(バカーディがベスト)2、クワントロ1、レモン汁1をシェイクする。この場合はレモンの酸っぱさをクワントロがどれだけ中和するかに掛かっている。即ち、レモンの出来具合を知らないと作れない厳しいカクテルでもあるのだ。夏になるとこのラム酒ベースのカクテルが不思議に欲しくなる。

テーマ : お酒
ジャンル : グルメ

季節の音楽(水無月 その4)

季節の音楽(水無月 その4)
 「シンシアのワルツ」(演奏はパーシィ・フェイス・オーケストラ)を取り上げる。このアルバムはオリジナルアルバムそのままの発売では無い。即ち、「ロマンスへのパスポート」と銘打ったオリジナルアルバムには「首輪の無い犬」「悲しみよこんにちは」「モリタート」などの名曲が並んでいるのだが、これに単独ヒットの「シンシアのワルツ」を加えたわけ。
 タイトル曲の「シンシアのワルツ」はミッチー・ミラーの吹くオーボエが哀しみを湛えて出色の出来栄えである。その分他の曲との違和感は免れないのだが、日本独自編集はそんなことはお構いなしなんである。この郷愁を帯びたアルバムは丁度梅雨時の曇天に映える新緑の趣があって良く聞いていた所為か、この季節の音楽となってしまった。

テーマ : 心に沁みる曲
ジャンル : 音楽

アナトミー

アナトミー(2000年ドイツ映画)
 ドイツ製の医学ホラーである。医学ものはどうしてもヨーロッパものに軍配が上がるようで、これがハリウッドだったらどうしても「ER 緊急救命室」になってしまうものと思われる。伝統の重み、建築物の佇まいなどの所為であろうか。
 お話はある女の子が入学した医学学校で起こる陰惨な事件である。医学の授業だから解剖学(これをアナトミーという)の実習なんかがバンバン出てくる。既に相当グロいから病院アレルギーの人は正視に堪えぬ。臓器移植がテーマらしいのは初めから分かるのだが結局大学の古い因縁(秘密結社)などが曝露される。そのあたりを探ったヒロインにも魔の手が伸びてきて・・・というわけ。新鋭ステファン・ルツォヴィツキーの演出はメリハリがあってスリリングな展開が楽しい佳編である。好評につきパート2が製作されたが、こちらも良く出来ている。先ずはお勧めです。

テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

八百万の死にざま

八百万の死にざま
 今回は古いミステリィを取り上げる。「八百万の死にざま」である。作者はローレンス・ブロック(早川文庫)で1982年の作品。様々なミステリィ・ベストでは必ず上位に来る(今となっては)古典的名作である。舞台は現代(1980年代)。主人公は警察をスピンオフした探偵マッド・スタガーでシリーズとしては数冊出ている。
 友人を通じて依頼された件はある娼婦がヒモから逃れたいというものだった。スタガーはヒモと話し合い事態は決着を向かえたかと思いきや、くだんの娼婦がめった切りで殺害される。そして次々と悲惨な殺人が続き、スタガーもそれに巻き込まれていく。というストーリーは実はどうでも良い。スタガーはアル中でしょっちゅうAAの会(アル中患者の更正会)に出掛けで同類の体験を聞く。ホテルに暮らしアルコールの魔力と必死に戦う。そうしたスタガーの毎日を殆ど同時体験させるべく、朝ご飯から寝る前のシャワーを浴びる迄をたんたんと描く。これがじわじわと説得力を持ってくるのだ。
 一方ニューヨークの治安の悪さをスタガーの読む新聞から極めて要領よく表現しており、誰もが殺人事件に巻き込まれる可能性を現実のものとして訴えている。「ウオーターシップダウンのうさぎ達」の如く、餌を与えられ、誰かが定期的に屠殺され、それを皆は故意に忘れるという具合に。このあたりの描写は実に凄い。表題はニューヨークの人口とこうした日常的な「死」を現わしたもの。ミステリィというより優れたノベルという感じである。傑作であります。

テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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