ポーをめぐる殺人

ポーをめぐる殺人/ウイリアム・ヒューツバーグ(扶桑社ミステリー)
 今回は少々古いが表記の文庫本を取り上げる。堕ちた天使(falling angel)でデビューし、それをてめえ自身で脚色した映画「エンジェル・ハート」でつとに有名となったヒューツバークの1994年の作品である。舞台は20世紀初頭のアメリカ。あのコナン・ドイルが心霊に関する講演の為、イギリスからやってくる。当時観衆は熱狂的に歓迎し、講演会はどこも超満員だったという。そこに世紀のマジシャン、フーディーニが登場し、お互い交流を深める(心霊とマジックなんて極めてお洒落ですよねえ)。そうこうしている内に彼等の居るフィラデルフィアで連続殺人事件が発生。なんとエドガー・ア・ラン・ポーの作品そっくりに起きるのだ。つまり狒狒(ひひ)は走るは、壁には塗り込められるは、といった具合に。 
 初めは何の関連も無かった事件だが、殺されたのはフーディーニに関わっていた人々だったことから、俄然白熱してくる。イリスなる謎の美女は登場するは、間抜けな警部が事件の共通性(つまりポーの件)を発見するは、格好付けたがる新聞記者が車を飛ばすは、もう大変な騒ぎ。おまけにドイル先生の前にはあろうことかポーの幽霊まで出没する有り様。これらの人物の生き生きした表情に加え、今世紀初頭の風俗、流行などが「フォレストガンプ」の如く描かれる。もうそこはジャック・フィニィの世界でもあるのだ。
 しかも全32章の章題には古今東西の著名な作品(小説)のキーワードを配しており、凝りに凝った構成に成っている。最初は余りに古風な出だしでなかなか馴染めないが、一度嵌まるとさあ大変、そのジェットコースター的な展開に酔いしれてしまうこと請け合いである。マニアならずとも楽しめる異色作である。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

ローグ・アサシン

ローグ・アサシン(2007年米国)
 ジェット・リーとジェイソン・ステイサムなる二大アクションスターが共演した話題作であり、公開当時は米国興行成績のトップにランクインした記憶がある。おまけに(と言っては失礼だが)久々の?ジョン・ローンまで出演している。お話はマフィアとやくざの対決に刑事がからむというもの。刑事とコンビを組んでいた片割れが一家共々惨殺されたことに対する一種のリベンジものだが、やはり見所はJ・リーの華麗なる?カンフーシーンやJ・ステイサムの切れの良いアクションシーンである。監督のフィリップ・G・アトウェルの手腕もそのあたりに重心を置いており、観客を楽しませてくれる。
 更にストーリーも捻ってあり、ある種のどんでん返しも用意されまずまずの出来栄え。因みにハリウッドが描くところの「日本人やその生活の奇妙な表現」はここでも十二分に発揮されているから、安心?して見ていられる。

テーマ : アクション映画
ジャンル : 映画

ジャズ・パラダイス(ケニー・バレルのギター)

ジャズ・パラダイス(ケニー・バレルのギター)
 ケニー・バレルのギターはブルーノートの名盤「ミッドナイト・ブルー」で分かるように大都会のテイストに満ちていて、シンプルでかつ洗練されている。1950年代のブルーノート黄金時代に幾つかの名盤を提供したあと1960年代はVerbレコードから(実験的な)意欲作を発表している。
 小生はこれまたブルーノート東京、大阪で1990年ごろ実際のライブに接している。当時のブルーノート東京にはアーティストの着替え場所が無かったみたいで、いきなりステージでコートを脱ぎだし、ギターケースを開けたのには驚いた。ケニー・バレルは笑うと隠れてしまうほど目が小さい。しかし指先はたいそう太かった。そこから生まれる洗練された音色は安定感があり優しく力強い。ある意味屋外のジャズ・フェスティバルよりもこじんまりとしたライブハウスが良く似合っていると思う。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

ホームページの裏話(8)

トミー君
ホームページの裏話(8)
 昨日少々早めではあるが6月号をアップした。是非見て頂きたい。さて6月号の目玉は何といっても「ネコストの総集編」であろう。本年新年から連載してきた総計5回分を並べてみたので現在に至る状況が一目で分かるようになっている。途中から見始めた方には正に「キャッチアップ」としてご利用頂けると思う。
 そしてチェリーとジャンヌで始まったお話はボリス君が仲間になってますます発展。更に今月号からは新しいメンバーも加わってストーリーが展開する。登場人物が全てネコ族で、「ロシアンブルー」「アメショー(アメリカンショートヘア)」などが活躍している点にもご注目。更に「チェリーとジャンヌ」に関するご意見、ご感想をメールにて頂いた方にもれなく作品の「ハガキ」を一枚プレゼントしているので、こちらもお見逃しなく!
詳しくはhttp://parnassum.web.fc2.com/にアクセスしてみて下さい。

テーマ : イラスト
ジャンル : 趣味・実用

カクテル・ストーリー(パリジャン)

カクテル・ストーリー(パリジャン)
 パリジャンはその名のとおりフランス生まれのカクテル。ジン、ベルモット、クレーム・ド・カシスを同一分量づつシェイカーに入れ、ロックアイスを適宜加えてシェイクするだけ。後はゆるりと口の広いシャンパングラスに注げば出来上がりである。
 カシスの色が鮮やかで、それゆえ「甘口カクテル」だとすぐに分かる。アペリティフには恰好なのだが、味わいはどこかしら物足らぬ。それはジン+ベルモットで既に「ドライマティニィ」が完成しているからで、そこにカシスを加えたという構図が何かしらミスマッチ?なんだと思う。これは色合い優先から選択されたフランス人らしい企みなんであろう(と勝手に推察してみる)。  
 カクテルのレシピはジンにせよベルモットにせよ、余り銘柄を指定していない。パリジャンの場合はきっと相性の良き組み合わせがあるのかも知れぬ。

テーマ : ドリンク
ジャンル : グルメ

季節の音楽(皇月 その4)

季節の音楽(皇月 その4)
 (皇月 その4)は「明日に架ける橋:演奏ポール・デスモンド」を取り上げる。このアルバムのプロデューサーはクリード・テイラー。この人は元々ABCレコードでポール・アンカなどのプロデューサーをしていたのをVerbレコードが引き抜いたのだが、早速彼が制作した「イパネマの娘」は大ヒットして1963年のグラミー賞を掻っ攫ったのは衆目の知るところである。
 その彼を1968年A&Mレコードが当時としては破格の契約金である100万ドルで引き抜いたのだが、これまた早速その手腕を発揮して今日に言うところのフュージョンの先駆け作品を続々発表してこれまた大ヒット。W・モンゴメリー、A・C・ジョビン、C・アダレイ、H・マン、G・ベンソン。B・ジェームスなどの大物ミュージシャンを登用したそのサウンドに我々は一気に引き込まれて仕舞ったものだ。ジャズとロックとそしてクラシックの融合みたいな異世界はそのジャケットのシュールなことと相まって人気を博し、彼独自のCTIレコードの設立にまで発展した。
 さて本アルバムはサイモンとガーファンクルのヒット曲集である。ポール・デスモンドの知的でクールなアルトの音色の醸し出す浮遊感というかアンビエントな感覚が素晴らしいが、一方ではピアノにハービー・ハンコックを採用するなどファンキーな一面もあって楽しめる。1970年代の5月頃にFMからエアチェックしたのであった。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

ストレンジャー・コール

ストレンジャー・コール(2006年米国映画)
 1976年の「夕暮れにベルが鳴る」のリメイク作品。ベビーシッターのアルバイトを頼まれた女子高校生が巻き込まれる恐怖を描く。お話は見も知らぬ大邸宅でベビーシッターの留守番をしていると怪しい電話が掛かってくる。近隣では残酷な殺人事件が発生しており犯人は捕まっていない。何度も掛かってくる電話は次第にエスカレートしていく、というもの。
 冒頭ヒロインが陸上選手かなんかでさかんにタイムを計りながら走っているシーンが出てくる。これが伏線になっている?みたいだが、このままだとかなり陳腐な展開となる。そこで監督のサイモン・ウエストはこの大邸宅を主役に配したのだ(と推察する)。つまりアールデコ調のかなりセンスの良いインテリアなのだな。吹き抜けの広大なリビングや中庭にはスプリンクラーが完備され小鳥たちが飼われていたりして、いかにも大邸宅らしい。勿論「離れ」もあってストーリーに一役買うというわけ。因みにホラー映画では屋敷とか城なんかは極めて重要な要素でもある。さてお話自体はお決まりの展開なのだが大邸宅の印象ばかりが記憶に残った妙な作品でした。

テーマ : ホラー
ジャンル : 映画

NEXT

NEXT(2007年米国映画)
 SF作家フィリップ・K・ディックの原作で少し先の未来が見えてしまう男が主人公。それをその男の普段の生活シーンにまで掘り下げてリアリティを出そうとする一方、その能力をテロ防止に使おうてなFBIや、くだんのテロリスト達が登場するサスペンスでもある。つまりは相容れぬ要素(日常と非日常)が入り混じってややこしくなる筈なのだが、主人公にニコラス・ケイジを配することでそれを見事に解決している。実際この人の心定まらぬ演技は非日常を表現するにはもってこいである。
 よって後は007シリーズでも有名な監督リー・タマホリが思いきり派手な映像を提供すれば良いことになる。但し。肝心のラストシーンのカタストロフィが月並みなのは頂けぬ。因みにN・ケイジは最新作「ノウイング(Knowing)」でも未来を予言する人間を演じているところから、余程このテーマが気に入ったのでありましょう。

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

アイ・ロボット

アイ・ロボット(2004年米国映画)
 SF作家アイザック・アシモフの名作がようやく映画化された。有名なロボット三原則をモチーフにして未来の殺人事件を捜査する刑事が登場。これをウイル・スミスが好演している。近年のアイ・アム・レジェンド(これもリチャード・マチスンの名作SF)にも主演をしているところからすると、余程SF好きなんでありましょう。更に一人暮らしという設定だからして住んでいるアパート?内部まで極めて似ているのは気のせいか。
 さてアシモフはミステリィも得意としているから、謎解きがこの作品の一つの要素ではある。しかし見所はCGを駆使したロボット達の動作、集団シーンなどであろう。監督のアレックス・ブロヤスは「ダークシティ」など未来都市やそれをベースにしたSFアクションを描かせたら第一級であるから、そこらあたりの迫力は特筆に値する。本作以降のCGやSFXを多用する映画は殆どアイ・ロボットの影響を受けていると言って良い。先ず見ておいて損のない作品であります。

テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画

ジャズ・パラダイス(ジミースミスのオルガン)

ジャズ・パラダイス(ジミースミスのオルガン)
 ジミースミスを初めて聞いたのは40年以上昔だったろうか(年齢が分かる?)。バーブジャズ・レポートなる日曜深夜のラジオ番組のテーマ曲があの「ザ・キャット」だったのだ。彼のジャズオルガンをして「ジャズ界の七不思議のひとつ」と言ったのがかのマイスルだったとか。
 小生としては1990年頃に東京と大阪のブルーノートでそのギグを体感している。その素晴らしいドライブ感に圧倒されたが、曲間のトークもまた堂に入ったものであった。歌舞伎や田中元首相のモノマネは定番だが、彼のオルガンのすぐ前で演奏中に(非礼にも程があるのだが)パスタをパクついていた若者のその「食べ方を真似た仕種など」は抱腹絶倒であった。このあたりは「浪花のおっさん」そのものである。また海外テレビドラマERではBGMに「ムード・インディゴ」が使用され、それで名盤「スタンダーズ」に出逢えたり、様々な局面でジミースミスを体験した。オルガンジャズの元祖であり、ジャズのノリの部分を大いに知らしめた功績は大変なものであると思う。

テーマ : お気に入り&好きな音楽
ジャンル : 音楽

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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