アメリカン・ホラー・ストーリー 精神病棟

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アメリカン・ホラー・ストーリー 精神病棟
 久しくホラー作品の話題から遠ざかっていたが、今回紹介するのは強力な米国製テレビドラマである。と言っても総計13本なのでジャンルとしてはミニ・シリーズ部門に分類されるらしい。その為、9月開催のエミー賞(米国のテレビ作品に贈られる賞)では名だたるテレビ・ドラマ部門の作品とは競う必要が無くなり、その所為か何と17部門にエントリーされているという。
 本作品はシーズン2であって副題がアサイラム、即ち精神病院ということになっている。先ずは俳優が全てシーズン1と同じながら舞台を精神病院に置き換え、役所(やくどころ)が一新されている。この設定が旨い。
 舞台は1960年前半のアメリカ片田舎にあった精神病院ハイヤークリフ。実在したこの病院では過去違法な治療とか色々問題があったらしい。病院の職員などは男性なのだが看護婦等女性は皆修道女という設定も中々宜しい。そして怪しい医者、医院長、牧師?、婦長などホラー作品に不可欠な要素がてんこ盛りなんである。おまけに宇宙人(エイリアン)まで登場する有様。こりゃあ一体全体どうなっちまうんだろう・・・と思わせるのだが、それが面白さに繋がるトコロが憎い。つまりアメリカの文化としてのホラー作品の有り様が深く関わってくるのである。
 これは我々日本人が見ると一見荒唐無稽で馴染の無い(ホラー作品の)キーワードが実はアメリカでは作り物なんだけど昔から親しんでしまい常識化しているというメカニズムにポイントがある。この辺りが分ってないとこの作品は殆ど楽しめない。
 クリエーターはライアン・マーフィ。そうあの連続音楽TVドラマ「グリー(Glee)」で一躍注目されたお方である。グリーも極めてアメリカ的なテレビ作品である。それはミュージカルと言うアメリカ独特の文化を最大限利用しているからだ。この図式は前述のホラー作品と全く同様である。実際、彼の音楽的感性は誠に素晴らしく「音楽」がこのアメリカン・ホラー・ストーリーの一つの要素として楽しめる仕掛けとなっている。1963年にヒットしたスール・スーリールの「ドミニカ」(これは頻繁で使われる修道女モノ)に始まり、1960年代オールデイズの数々、と思えばフィリップ・グラスの「キャンディマン」(ホラーのカルト作品)等枚挙に暇がない。
 お話は雑誌記者のラナがハイヤークリフの取材を敢行するも拉致されてしまう、というエピソードから始まり、マッドサイエンティストの蛮行など次々と「どこかで見たような」お話が続く。また婦長を演ずるジェシカ・ラングの演技が正に鳥肌モノだが、彼女を取り巻くジェイムス・クロムウエル等の名優達も見逃せない。尚、現在ではFOXチャンネルで再放送中である。噂によるとシーズン3にはキャシー・ベイツが登場するらしい。
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テーマ : 海外ドラマ(欧米)
ジャンル : テレビ・ラジオ

カリスマ・ドッグ・トレーナー

カリスマ・ドッグ・トレーナー
 今回はアメリカのテレビ番組を採りあげる。ジャンルとしてはカウンセラー番組に分類されるのだろうか。ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルなるケーブルテレビのプログラムの一つなのだが、何故かわが国ではBS-FOX(9月まで無料)でも放映しているのでBSの受信設備があれば誰にでも観られるある意味恵まれた環境にある。
 飼い犬に関するカウンセラー番組なのだが、番組の原題を「Dog Whisperer」ということから分るように、これは飼い主の側からではなくあくまでも飼い犬をすべての原点とする(飼い主の)カウンセラー番組なのだ。
 飼い犬が突然凶暴になった、まったく懐かない、使用人に噛み付く、などのトラブルに始まり、時には動物局のメンバーと一緒に街に繰り出し野犬化一歩手前の犬を救出するなど実に多種多様な八面六臂の活躍をするのがホストのシーザー・ミランだ。結局は飼い犬に対して「散歩をさせる」「運動を欠かせない」「人間が主人だと言うことを納得させる」あたりが飼い主としてきちんと出来てないと様々なトラブルが発生すると説く。特に飼い主自身にトラウマや精神的不安要素があるとたちどころに飼い犬たちに察知され「主人は誰なの?」という状況に陥る。
 一方、飼い主たちが何時までも同じ状態であるはずは毛頭無く、子供は成長するし、大人はどんどん歳を取る。病気もするし事故にも遭う。そうした状況下で家庭(つまり飼い主)が思いもかけない事態に陥ると精神面を保つのが難しくなり、結果飼い犬に大きな影響を与えると言うことになる。勿論もともと欠陥のある人間たちも大勢居る(犬たちにとっては大迷惑だ)。
 シーザーのコンセプトは明快だ。「犬たちを躾け直すことは殆ど無いが飼い主を調教する余地は多分にある」。彼が犬たちに対する態度はそのまま飼い主たちにも向けられるから高圧的だと思われる輩も居るかもしれない。しかし彼が高圧的にならざるを得ないほど飼い主たちが「柔くて」「だらしがなくて」「信用ならない」のも事実なのだ。ここにきて我々はこの番組の本質に辿り着く。つまり我々の「日々の生き方」がいかに「ネガティブな要素が多い」のかを知ることになるのだ。大袈裟に言えば相談を受ける飼い主を通じて生き方の真髄に触れるといったところか。またそうしたトラブルの原因究明のプロセスが謎解きとして面白いのだが、結果的にその家庭の「闇の部分」が白日の下にさらされるわけで、飼い主にはその覚悟が必要とされるのだ。
 とにかく様々なケースが紹介されるからアメリカの(中流)家庭の有様が分って実に興味深い。同時に飼い犬たちは正に家族の「鏡」なのであって、これが親子関係やビジネスの上司と部下の関係、など様々な人間関係に応用できそうである。
 ということで今までに無い全くユニークなカウンセラー番組として注目されて良いだろう。尚、わが国ではシーズン3が放映中だが現在アメリカで放映中のシーズン9で終了が決定されたそうだ。

テーマ : ドキュメンタリー
ジャンル : テレビ・ラジオ

ウォーキング・デッド

ウォーキング・デッド
 海外のテレビドラマであって且つホラー作品、しかも近年稀に見る仕上がり、ときているからには当ブログで採り上げない訳にはいかぬ。我国ではケーブル(もしくはCS)でシーズン2が始まったばかりである。原題のウォーキング・デッドとはその名の通りゾンビのことを指す。
 主人公の保安官は銃撃事件で玉に当たりこん睡状態になる。どのくらいの時間が経たのかは明らかにされてないが、気が付いてみると周囲はゾンビたちの徘徊する地獄図と化しており、生き残りを掛けたドラマが展開する。勿論生存者たちが居て保安官もその人々と行動をすることになる。つまりここからはファミリー?ものの要素も加わってくる。
 旨いのはゾンビたちの徘徊する世界に「どうしてなったのか?」には殆ど触れず、「生き残るためには今何をすべきか」という一点のみにドラマを集中させている点であろう。更に前後して「ゾンビの定理」も先ずはしっかりと教えてくれるのだ。そしてショーランナー(製作総指揮)のフランク・ダラボンは登場人物を極めて人間臭くを描くことに徹している。善人でありながら悪事を働く、或いは悪人でありながら善き行いをする、など一筋縄ではいかぬ人間模様を実に宜しく捌いているのだ。これは彼の監督した最新作「ザ・ミスト」(S・キング原作)でも群集劇として大いにその実力が発揮されている。結果として本作ウォーキング・デッドの仕上がりのリアリティは大変なものでゾンビは心底怖いと視聴者は震え上がってしまうのだ(夢にまでみた人も居るとか)。
 原作はアメコミというからこれも構成がきちんとしている理由の一つであろう。蛇足ながら傑作テレビドラマ「プリズン・ブレイク」のヒロインを演じた女優さんも参加しているのだが彼女は作品に恵まれている稀有なお方なんでしょう。米国ではシーズン2の始まりが快調だった所為か、直ちにシーズン3の製作が決定したと言う。ホラーファンならずとも必見のテレビドラマであります。

テーマ : 海外ドラマ
ジャンル : テレビ・ラジオ

アメリカン・アイドル シーズン10

アメリカン・アイドル シーズン10
 今回は海外テレビ番組として丁度10周年を迎えるアメリカン・アイドルを採りあげてみよう。アメリカン・アイドルは素人参加の「のど自慢番組」といえばわが国では(とりあえずは)判り易いかも知れぬ。しかし参加者にとってはかなり過酷な番組でもあるのだ。大体一回で決着が付くはずも無く、何回にも渡り様々な曲を歌い続けて勝ち残らねばならぬ。何故それまで過酷さと試練に拘るとかと言えば、丁度1990年頃のアメリカのテレビ番組にある新しい流れが出て来たことと関係がある。それまでテレビの3大ネットワークと言われていたABC、NBC、CBSにケーブル中心のFOXが映画界から殴りこみを掛けてきたのだ。初めはX-fileを初めとするエンターテインメントに拘ったドラマが中心であったが、在る時を境にして「素人参加」を前面に打ち出した番組が評判を呼び出した。例えばある期間何人かが無人島で暮らし抜くという、過酷さと試練そのもののような「サバイバー」などは高視聴率を稼ぎ出したものだ。最後の勝利者(暮らし抜くだけでなくその生き様が視聴者からの投票で評価され、どんどんエリミネイト~落伍していくのだ)は大観衆の前で賞賛され、そのまま芸能活動に入るのが何時の間にか決まりごとになってしまった。
 そうした素人参加のシステムを唄(+ダンス)で表したのがアメリカン・アイドルである。先ずは全米各地で審査員(これがそのシーズン毎に実にユニーク)のオーディションを受ける。そこでパスすればハリウッドに50人近くが集められ、毎回様々なテーマ、例えばビートルズ特集、ジャズ、R&Bなどに沿って喉を競うことになる。その間はハリウッドに文字通り缶詰になる訳でこれが前述のサバイバーを彷彿とさせる。また毎回異なる唄を歌うからトレーナーが付く。これがまたレディ・ガガ、ビヨンセ、など実に豪華である。オーディションの様子は簡略化されるが、ハリウッドに移ってからは一回一回が番組として製作放映されると同時に大きな特徴として審査員はコメントのみで最終決定は「電話による視聴者の声」である点だ。視聴者に受け入れられなければ、どんどんエリミネイトしていくという、これも過酷な話だ。しかし優勝者には当然ながら歌の世界へのデビューが待っているという訳だ。
 今シーズンは特に評判が高かったのだが、それは審査員にジェニファー・ロペスやスティーブン・タイラーらが居たからだと思う。その的確な指摘やジョークの楽しさは計り知れないパーフォーマンスに満ち溢れていた。また番組放映中にロペスはピープル誌の「一番美しい女性」に選出されたり、タイラーは自伝を出版したりと抜け目がないが、それもまた相乗効果として史上空前の視聴率を稼ぎ出したことに結びついている。勿論エントリーしている面々の音楽的素養は極めて高く、全員がそのまま歌手になってもおかしくないパーフォーマンスを持ち合わせていたのも事実である。
 フィナーレの回は最後に勝ち残った2人の最終結果発表なのだが、実際それはどうでも良く、2時間に渡るエンターテインメント・ショー、即ち大御所トニー・ベネット、トム・ジョーンズに始まり、レディ・ガガ、ビヨンセ、と繰り広げられるアメリカン・ミュージックのライブシーンの数々が圧倒的迫力で楽しませてくれる。これはグラミー賞発表のイベントに匹敵するくらいの素晴らしさであった。このシーズン10は今後長く語り伝えられるでありましょう。

テーマ : リアリティTV
ジャンル : テレビ・ラジオ

海外テレビドラマ(プリズン・ブレイク)

海外テレビドラマ(プリズン・ブレイク)
 プリズン・ブレイクは監獄脱出ドラマであり、テーマだけをみればとりたてて斬新な内容では無い。しかも無実の兄を助けんが為に身を以て投獄され脱出するという発想も陳腐極まりない。しかし主人公が刑務所の設計図の記憶(この手段が凄い)と実行力で着々と進める脱獄プロセスは実にエキサイティングだ。
 刑務所といういわば非日常の世界では何でもアリご都合主義が罷り通る(例えば昨日の友は今日の敵みたいな)のだが、彼はその何倍も先を読んだ緻密な計画で打破していくのだな。視聴者はその計画を知らされつつ、実行にスリルを味わうという寸法。しかもシーズン1ではあっさりと脱出に成功してしまったが故に、今度は日常と相対せねばならぬ嵌めになる。尤も先ごろシーズン4で終了のアナウンスがあったそうな。
 実は一昨年のケーブル・フェアで20世紀FOXのブースで説明員のにーちゃんに「チャーリージェイドは何故に放映せーへんのか?」と問うたところ「それよかプリズン・ブレイクてなおもろいモンがおまっせ」と紹介を受けたのがコトの始まりであった。

テーマ : 海外ドラマ(欧米)
ジャンル : テレビ・ラジオ

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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