季節の音楽 長月

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季節の音楽 長月
 季節の音楽 長月はジャック・ルーシエのゴルドベルク変奏曲を採りあげる。プレイ・バック/プレイ・バッハで1960年代後半に一世を風靡したジャック・ルーシェ伯父さんのゴールドベルク変奏曲で録音は1999年パリである。
 プレイ・バッハってのをご存知の方はもう少なくなってしまったかもしれない。バッハをジャズってやろう、というのが基本コンセプトであるが、フランス人らしい洒落た感覚を持ち、しかも様々なバッハの作品を取上げているのも大きな特徴である。デビューは確か「トッカータとフーガ 二短調」だった記憶がある。次にインベンションとシンフォニアあたりで、イタリア協奏曲もあったなあ。パリはオランピア劇場でのライブでは「ピアノ協奏曲第一番」なる超マイナーな曲だったため聴衆はいつ終わったのか判らなくて困惑した拍手があちこちに入ってたのを思い出す。
 さてその彼がバッハの生誕250年記念にちなみ満を待して録音したのがこの「ゴールドベルク」なのだ。これが実に素晴らしい期待以上の内容なのである。32の変奏曲を様々なリズムで聞かせるだけでなく、一音一音に生命を吹き込むが如く、実に丁寧に生き生きと奏でていて、ついつい引き込まれてしまう。もう円熟の境地なのでしょうなあ。グールドに加え、またまたゴールドベルクの名盤が誕生したことを喜びたい。
 このアルバムはその昔単身赴任で上京する際によくカセットで聞いていたものだ。早朝に新大阪駅をスタートする際に聞き出して丁度名古屋あたりで終了し、その後は爆睡モードに突入というパターンを繰り返したわけ。出だしのアリアを聴くと何故か初秋の頃の新大阪の駅の景色がどうしても浮かんできてしまう。
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季節の音楽 葉月

EXOTIC STRINGS
季節の音楽 葉月
 季節の音楽 葉月はパーシィフェイスオーケストラのアルバム「South Pacific」と「Exotic Strings」を取り上げる。パーシィ・フェイスの演奏した「魅惑の宵」は名盤「South Pacific」に入っている訳だけど、その昔テレビの創世記の頃は夕方の放映開始前のテストパターンのバックに流れていたことを考えると、恐らく1950年代初めの録音なのであろう。業界で言うモノスコパターンは丸い形の走査線の粗い映像であって、本放送が始まるまでの間飽く事無く眺めていたのも今となっては懐かしい思い出である。「South Pacific」は同名ミュージカルからの曲集で「バリハイ」「ヤンガー・ザン・スプリングタイム」などリチャード・ロジャースの佳曲ぞろいである。
 一方の 「Exotic Strings」は1960年代中期のアルバムでラテン色が強い。こちらは高校の夏休みの頃、FM東海時代のジェットストリームで聞き一編に気に入ってしまった。第一曲目のシンフォニックな「輝くビーズと腕輪」から素晴らしく、コール・ポーターの名曲「君にこそ心ときめく」の滑らかなストリングスの肌合いなど、千変万化なオモムキが楽しめる。画像は「Exotic Strings」である。

季節の音楽 文月

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季節の音楽 文月
 季節の音楽 文月はボサノバを採り上げる。だが、ここで言うボサノバはかなり限定されておる。ジャズ・レーベルのVerbにその元が潜んでいるのだ。実はNHK-FMの軽音楽番組で1981年の夏にボサノバを特集した時があって、その殆どがVerbのアルバムであったのだ。当時は全てがLPであったから、放送されたアルバムを実際には後年少しずつ買い漁っていった。
 中でも最初に買ったのが後述するワルター・ワンダレイの「サマーサンバ」であった。だから今でもシーズン到来とばかりに先ず初めに聞きだすのはこのアルバムでありサマーサンバなのだ。さてそのVerbであるが、既に述べたように敏腕プロデュサーであるクリード・テイラーがABCから移籍して直ちに創り上げたのが南米のサンバとジャズをミックスしたボサノバと言われている。大ヒットアルバム「ゲッツ・ジルベルト」(添付写真)は1964年のグラミー賞を採ったのだからその勢いが知れるというものだ。このアルバムに参加しているのはA・ジルベルト(Vo)、J・ジルベルト(Vo)、AC・ジョビン(Pf)、S・ゲッツ(Tsax)、であって夫々がその後沢山のアルバムを輩出しブームを支えた。
 小生の好んで聴くアルバムは以下の如し。先ず「サマーサンバ」(Org:W・ワンダレイ)。ワンダレイのソウルフルなオルガンが心地良く暑さを忘れさせてくれる。「イパネマの娘」(Pf:AC・ジョビン)。ジョビンの第一作だがC・オーガマン指揮のストリングスをバックにシンプルなピアノの音色が心を和ませてくれる。「ジャズ・サンバ」(Asax:S・ゲッツ、G:C・バード)。名曲デサフィナードなどが軽快なリズムで楽しめる。このサックス、ギター、ベース、ドラムスの形態は大好評を以って支持され、以降「ジャズ・サンバ・アンコール」「ゲッツ・アルメイダ」と続いた。次は「オルフェの唄」(G&Vo:R・ボンファ)。名作オルフェの唄(カーニバルの朝)はこのヴァージョンが最も有名である。ボンファの極めて土着な演奏スタイルが注目を集めた。「ソフトリー・ボサノバ」(G・マクファーランド)。これはやや異色。スキャットでビートルズの名曲をボサノバのアレンジで聞かせる。マクファーランドは名アレンジャーなのだ。
 更にはAC・ジョビンの「潮流」「ウエーヴ」、R・ボンファの「ボンファ・マジック」、など様々なアルバムが犇いている。更にワルターワンダレイは(多分)来日時にキングに吹きこんだアルバムがあり、これはその後再発売もCD化もされてないが、「ウエーブ」や「ブラジル」といった名曲をどちらかというとリラックスした感じで演奏しており、これもまたカセットで録音して愛聴している。

季節の音楽 水無月 

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季節の音楽 水無月 
 季節の音楽 水無月はジョー・サンプルを取り上げる。ピアニストのジョー・サンプルの歴史は長い。1970年後半のフュージョン・ブームの際には彼のグループであるクルセイダーズがスタッフと人気を二分した。今までとは違うパンチの効いた2ビートに皆酔いしれたものだ。
 独立後はメロディアスかつビート感覚溢れたアルバムを次々とリリース。1980年代の気の利いたバー(そういえばカフェ・バーなんてのがあったっけ)には必ず2、3枚は彼のレコードがあったものである。
 初リーダー作「Rainbow Seeker」に始まり「Carmel」「Voices In The Rain」の一連の三部作はその評価を決定的なものにしたと言って良い。とりわけ最後の「Voices In The Rain」は題名はもとより、曲想からも「梅雨」を連想してしまう。また「Carmel」には「雨のモンタレー」なる曲があったりして、どうしても梅雨時のオモムキを感じさせてくれる。空気に暖かい(暑い)湿り気を感じる頃にジョー・サンプルを無性に聞きたくなるのもそうしたことと無関係では無いように思われる。

季節の音楽 皇月

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季節の音楽 皇月
 季節の音楽 皇月はヘンデルの水上の音楽(演奏 コレギウム・アウレウム合奏団)を取り上げる。ヘンデルはイギリスの作曲家であって国王に仕えていたのだが、大陸(つまりヨーロッパ)への音楽的な憧憬止みがたく遂には渡欧してしまう。特にイタリアに興味があったことはその曲想(コンチェルトグロッソの構成など)から十分窺える。
 そうこうしているうちに当初の予定を相当越えて大陸に滞在してしまい、国王の機嫌を損ねたという。そこで、ヘンデルは帰国すると直ちにこの水上の音楽を作曲し、国王がテムズ川を遊覧する際にいきなり演奏披露に及び、国王をいたく感動させたという逸話が残っている。尤も現在はその事実を「出来すぎている」と疑問視するムキも多い。とはいうものの、この曲はそうした場面を髣髴とさせる佇まいに溢れていることは万人の認めるところであろう。
 水上の音楽は一種の組曲の構成をとっており、オーヴァーチュア、アリア、などの小曲大曲が入り混じってドラマチックな趣に溢れている。同趣向の曲集としては王宮の花火の音楽というのもある。さてコレギウム・アウレウム合奏団はピリオド楽器(古楽器)を使った柔らかな音色と、ドイツのフッガー家の城の通称「糸杉の間」と呼ばれる音響効果に優れた場所で録音を行ったことを特徴としており、その芳醇な響きは他の追従を許さないものがある。バロックオーボエの鄙びた音色がガット弦の響きと微妙に絡み合い、極上の(ワインの如き)音楽が展開する。
 因みに私事であるが、小生の結婚披露宴の入場にはこの曲の冒頭「オーヴァーチュア」を使ったことから、五月には必ず聴くアイテムになっている。
プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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