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季節の音楽 睦月

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季節の音楽 睦月 
 季節の音楽 睦月はグルミオーのモーツァルトのヴァイオリンソナタK304を採りあげる。モーツァルトはヴァイオリンソナタを40曲近く作曲しているが、演奏されたり、録音されているのはごく限られた数曲だけである。アルトゥール・グルミオーのヴァイオリン、クララ・ハスキルのピアノで録音されたアルバムも6曲だけである(尤もライブの音源が後少しあるようだが)。中でもロ短調のK304は物悲しい雰囲気で始まるものの次第に力強い感興に溢れてくる名曲である。
 曲は極めてシンプルな二楽章構成だがそこには当然モーツァルトらしい人生のドラマを描いて余りある内容に満ちている。またヴァイオリンソナタと称してはいるが、ピアノは伴奏ではなくて室内楽の如く対等に位置しており両者揃って音楽を作り上げることが必須となっておる。レコードも多種多様に出ているがやはりグルミオー&ハスキルのコンビがその優美な響きで他とは一線を画する素晴らしい内容である。
 このレコードを初めて聴いたのがFMからの録音で1970年代初頭の正月であった。その頃は未だ石油ストーブで暖をとっており、ある時期は帰宅するとストーブと共にこの録音テープで文字通り「暖をとって」いたものだ。後年上記6曲を収録した2枚組みのLPが出た際には即刻ゲットしたのは言うまでもない。
 蛇足ながらグルミオーは晩年にワルター・クリーンと10曲近くを再録音している。これは枯淡の境地とも言うべき別の意味での名演であるが、小生としてはハスキルとのコンビであるこの1950年代末期の録音の方に心惹かれるものがある。
 更なる蛇足としてこのK304のソナタは小生が数年前ヴァイオリンの発表会でエントリーしていたものの急病で演奏を断念した因縁めいた曲でもあるのだ。
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季節の音楽 師走

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季節の音楽 師走 
 季節の音楽 師走はモーツァルトのレクイエムを取り上げる。世の中師走はベートーベンの第九と相場が決まっているが、我が家ではこれがモーツアルトのレクイエムなのだ。
 何かの機会にこの曲を聞き、すっかり気に入ってしまい、CDを買い求めた記憶がある。ベートーベンに比べ多分に“生臭くない”からだと思わ れる。そのCDはカール・ベーム指揮のウイーン交響楽団の1956年のモノラル盤であって、実に精緻な演奏である。
 十数年年くらい前までは我が家の年賀状は版画による印刷、即ち全てがハンドメイドであったのだ。版画の印刷は版が何枚かあれば年賀状の総数×版数となりかなりの手間と時間を要することになる。その時のBGMとしてこのレクイエムは実にぴったりなのだ。だからこの曲を聞くと師走、クリスマス、年末年始の有様と共に年賀状制作の苦心が懐かしく思い出されてくるのである。

季節の音楽 霜月

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季節の音楽 霜月
 季節の音楽 霜月はシューマンの「子供の情景」を採り上げる。シューマンのピアノ曲にはソナタ形式ではなくて組曲の形を採った作品が多い。幻想曲や謝肉祭、ウイーンの謝肉祭の道化、森の情景、クライスレリアーナなどがその良き例だろう。この子供の情景も全13曲からなり、とりわけ第7曲トロイメライは有名でピアノ以外の楽器でも編曲されよく演奏される。曲の成り立ちは作曲者本人に言わせると「子供心を描いた、大人のための作品」なのだそうだ。つまり大人レベルの演奏が(当然ながら)要求されるわけ。
 さてこの子供の情景の初めの第1曲は「見知らぬ国と人々について」といって夢の中に誘う如き曲想を持ち、これから始まるファンタジーへの入り口には誠相応しい。
 小生が新入社員だった大昔、早朝の就業前にスピーカーからは何故かこの曲が流れてきた。丁度配属されたばかりの霜月頃はこの曲が初冬の空気の中に漂うて一種得も言われぬ感興を齎したものだ。しかし、流れたのはこの第1曲のみで、直ぐにその地域(ローカルな)の県の唄?が、そしてラジオ体操第一、へと続いたのであった。
 この曲の演奏は名曲だけあって数知れない。エッシェンバッハの清楚な演奏も宜しいが、やはりホロビッツが第一であろう。その精緻なピアニズムが他の追従を許さぬ。

季節の音楽 神無月

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季節の音楽 神無月
 季節の音楽 神無月はブラームス作曲の「ヘンデルの主題によるヴァリエーション」を取り上げる。
変奏曲というのは一種独特の世界観を持っている。テーマが提示され、その後次々と変幻自在な旋律が展開される様はそれこそジャズの即興演奏そのものである。歴史的にもバッハのゴールドベルクを見るまでもなく、かなり昔から音楽の形式として定着をしていたものと思われる。有名どころではモーツァルトの数々の変奏曲が知られているが、実はベートーベンにもかなりの数が残されているのだ。
 ブラームスは変奏曲を何曲か作っている。中でもこのヘンデルのテーマは33曲からなっており、シンフォニックあり室内楽ありの実に“楽しい”曲想に満ちておる。
その昔初秋の頃、某電機メーカーで音の設計を担当していた頃のこと、評定室に篭って試行錯誤を繰り返し、様々な音源で音質を比較検討したのだが、“ピアノの音色”にはこの曲の第10番目の変奏曲が使われたのであった。確かに音域も広く、早いパッセージは評価に適していたのかも知れぬ。
 後年になって愛聴したのは1976年に晩年のルドルフ・ゼルキンが録音したアルバム。ブラームスを大得意にしていた彼らしく、堂々としたしかも繊細なタッチは曲の様相を描き尽くしており、正に名演奏と言える。

季節の音楽 長月

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季節の音楽 長月
 季節の音楽 長月はソニー・クラークの「クールストラッティン」を取りあげる。ジャズの入門盤(この呼び方には大いに違和感があるけれど)に必ず登場するのがこのアルバム。ピアニストS・クラークのリーダーアルバムとしては最もヒットし二本足のジャケット写真でつとに有名である。
 メンバーはASax:J・マクリーン、Tp:A・ファーマー、Bs:P・チェンバース、Ds:A・テイラー、と当時のファンキージャズを代表する面々で固めている。我が国のジャズファンには相当気に入られているが、お膝元の米国ではS・クラーク含めそれ程評価されていない。
 我が国でモテる理由としてはブルースコードが日本の歌謡曲と共通要素があるとか、様々な説があるが、これは構成が極めてキチンとしており、リズムが崩れていない。つまり極めて安定しているからだと思う。砕いて言えば決まりごとが決まった通りに展開する安心感みたいなものか。しかもそれが浪花節なんだから尚更であろう。
 勿論ジャズにはアドリブという即興的要素があるのだが、クラークの重心の低いピアノタッチは崩れそうでいて崩れない安定したブルース感覚に溢れ、結果として安心して身を委ねることが出来るのである。この感覚にはどうしたワケか晩夏の日差しを受けた街路の景色が良く合う。初めて聴いたのがその季節だったからかも知れない。
 1989年バブル盛んな頃の9月某日に六本木に“1588”というバーが誕生した。知り合いが経営していたかなんかで、初日に行ったら閑古鳥が啼いていたけど、この店名は知る人ぞ知るこのクールストラッティンのレコード番号なのだ。“BlueNote1588”でファンは直ぐに分かるという寸法。早速BGMにこのアルバムを流すようオーダーしたのは言うまでもない。
プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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