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季節の音楽 皇月

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季節の音楽 皇月
 季節の音楽 皐月はアービング・バーリン名曲集(ジョージ・メラクリーノ・オーケストラ)を採り上げる。ジョージ・メラクリーノ・オーケストラは今ではもう忘れ去られてしまったムード・ミュージックの(アメリカでの)王者であった。1950年代から1960年代に掛けて欧米諸国ではいわゆるヒットポップスとは別に「生活に溶け込んだ音楽」というのが確かに存在した。それは映画音楽であり、ミュージカルナンバーであり、カクテルタイムの音楽であったりしたのだ。わが国では当然ながらポップスしか伝わらなかったため、この手の音楽、つまりその頃名付けられた「ムード・ミュージック」はごく限られたメディアでしか聴くことが出来なかったのだ。
 そのジャンルでは世界的に見ればヨーロッパが勢力を張って?おり、大御所マントバーニーを初めとしてフランク・チャックスフィールズ、ベルトケンフェルト、ヘルムート・ツァハリアス、などがその技を競っていた。
 そんな中でジョージ・メラクリーノのアプローチは極めてシンプルかつオーソドックスであったが、唯一録音方式が変わっており、つまりはステージにマイクをセッティングし、楽団員は客席で演奏したという。そうすることで弦に一種独特の響きが加わり分厚い絨毯の如きストリングスが実現した。マントバーニーのまるで水の流れるような「カスケイティング・ストリングス」とは好対照である。
 そのメラクリーノが1960年代初期に取り組んだのがこのアルバム。わが国ではホワイトクリスマスでしか名前を知られていないが、アービング・バーリンはオペレッタからミュージカルを経て続くスタンダード・ソング(即ち小唄)の偉大なクリエーターである。  1900年代初頭にマンハッタンはティンパンアレーで作曲しては楽譜を売り捌いていたバーリンはめきめきと頭角を現し、オールウェイズ、ソング・イズ・エンディッド、ブルー・スカイなど数々の名曲を世に送り出した。確か101歳まで生きた人だったと思う。その極めてメロディアスな旋律をメラクリーノは丹念に演奏しており、この清々しい季節の宵に聞くのには実にぴったりである。ハープを多用してメリハリ感を醸し出しているのも好印象を受ける。
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季節の音楽 卯月

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季節の音楽 卯月
 季節の音楽 卯月はバッハのヴァイオリン協奏曲第一番第二楽章である。バッハのヴァイオリン協奏曲は一番、二番、それに二つのヴァイオリンの為の協奏曲の全3曲が有名でこれだけでレコードに丁度収められる長さもあってか、過去かなりの数のアルバムがリリースされている。技術的にもさほど難しくないので素人の発表会などでもピアノを伴奏としてよく弾かれている。
 十数年前にヴァイオリンのレッスンを受けていた頃、発表会でこの一番をエントリーした。第一楽章、第二楽章を冬と春の2回に分けて弾いた訳だが、どういう訳か第二楽章が印象深い。曲想は極めてゆったりとした中にも歌があって何かしら崇高な佇まいが素敵である。たまたま、五月の発表会に向けて練習していたのでこの曲を聴くと、どこからともなく初夏の薫風が流れて来て清々しい気持ちになる。 
 さてレコードは上述の如く、グルミオー、シェリング、など様々なアルバムがある中、JASONはニコラウス・アーノンクール指揮のウイーン・コンチェントゥス・ムジクスの演奏がいたく気に入ってしまった。独奏ヴァイオリンは勿論奥様のアリス・アーノンクールである。全体に暖かいトーンに溢れた名演だと思う。尚、発表会に向けてはダビット・オイストラッフのDVDを参考にしたが、その恰幅の良い安定した演奏は得る所が多かった。

季節の音楽 弥生

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季節の音楽 弥生
 季節の音楽 弥生はレイ・ブライアントの「ゴールデン・イヤリング」を採りあげる。レイ・ブライアントは1931年フィラデルフィア生まれの黒人ジャズピアニストである。チャーリーパーカーやレスターヤングのピアノを担当していたというから、1940年代から音楽活動をしていたものと思われる。
 彼の超名盤(というかモダンジャズの代表的レコードとして)の一つに「レイ・ブライアント・トリオ」(Prestige)がある。1957年録音のモノラル盤だが、彼の黒人フィーリングというかブルース感覚が目一杯発揮されたアルバムである。この冒頭に入っているのが「ゴールデン・イヤリング」という曲。同名の映画主題歌で作曲はあのビクター・ヤング。何となくジプシーを思わせる民族的な旋律は元ネタがサラサーテのチゴイネルワイゼンから来ていることと大いに関係がありそうである。その所為かペギーリーの唄でも大ヒットした。
 ブライアントのそのよくスイングするタッチは独特の感触がある。どちらかと言うと極めてあっさりと演奏しているが、それがこの浪花節的?とも言える旋律を自然と歌わせしみじみとした感興溢れるものとしているようだ。ジャケットでタバコを斜めに加えたブライアントには“どうだ文句あるか”の如き“余裕の極め技”みたいな表情が溢れており実によろしい。
 20年以上昔だがジャズピアノのスクールに通っていた頃、この弥生の頃に「ゴールデン・イヤリング」を練習していたのでこの季節になると聴いているというわけである。

季節の音楽 如月

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季節の音楽 如月はモーツァルト ピアノソナタ 第6番 K284 「デルニッツ」であり、ピアノはリリークラウスである。モーツァルトのピアノソナタは最初の6曲(K279~K284)だけが作曲された場所に因んでザルツブルグ・ソナタと呼ばれる。遠く故郷を離れたモーツァルトがその地で母親を死を知ったということから、極めてシンプルな構成の中にも一種の悲哀に満ち満ちており、どれもが名曲と言って良い。
 中でもデルニッツ公爵に捧げられたという第六番は第二楽章が長大な変奏曲の形式を採っており、ある意味では交響曲の如き巨大さを保っている。いつの頃からか一年で最も寒いこの小寒から大寒の期間はデルニッツを聞くようになってしまった。心底また心身共に温まりたいからかも知れぬ。
 演奏はリリー・クラウスが1955年のモーツァルト生誕150周年を記念して録音されたものがベストである。モノラルながら名プロデュサー、ダニエル・シャルランの手腕は素晴らしく、全編正に珠玉とも言える名演が展開する。

季節の音楽 睦月

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季節の音楽 睦月 
 季節の音楽 睦月はグルミオーのモーツァルトのヴァイオリンソナタK304を採りあげる。モーツァルトはヴァイオリンソナタを40曲近く作曲しているが、演奏されたり、録音されているのはごく限られた数曲だけである。アルトゥール・グルミオーのヴァイオリン、クララ・ハスキルのピアノで録音されたアルバムも6曲だけである(尤もライブの音源が後少しあるようだが)。中でもロ短調のK304は物悲しい雰囲気で始まるものの次第に力強い感興に溢れてくる名曲である。
 曲は極めてシンプルな二楽章構成だがそこには当然モーツァルトらしい人生のドラマを描いて余りある内容に満ちている。またヴァイオリンソナタと称してはいるが、ピアノは伴奏ではなくて室内楽の如く対等に位置しており両者揃って音楽を作り上げることが必須となっておる。レコードも多種多様に出ているがやはりグルミオー&ハスキルのコンビがその優美な響きで他とは一線を画する素晴らしい内容である。
 このレコードを初めて聴いたのがFMからの録音で1970年代初頭の正月であった。その頃は未だ石油ストーブで暖をとっており、ある時期は帰宅するとストーブと共にこの録音テープで文字通り「暖をとって」いたものだ。後年上記6曲を収録した2枚組みのLPが出た際には即刻ゲットしたのは言うまでもない。
 蛇足ながらグルミオーは晩年にワルター・クリーンと10曲近くを再録音している。これは枯淡の境地とも言うべき別の意味での名演であるが、小生としてはハスキルとのコンビであるこの1950年代末期の録音の方に心惹かれるものがある。
 更なる蛇足としてこのK304のソナタは小生が数年前ヴァイオリンの発表会でエントリーしていたものの急病で演奏を断念した因縁めいた曲でもあるのだ。
プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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