季節の音楽 文月

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季節の音楽 文月
 季節の音楽 文月はボサノバを採り上げる。だが、ここで言うボサノバはかなり限定されておる。ジャズ・レーベルのVerbにその元が潜んでいるのだ。実はNHK-FMの軽音楽番組で1981年の夏にボサノバを特集した時があって、その殆どがVerbのアルバムであったのだ。当時は全てがLPであったから、放送されたアルバムを実際には後年少しずつ買い漁っていった。
 中でも最初に買ったのが後述するワルター・ワンダレイの「サマーサンバ」であった。だから今でもシーズン到来とばかりに先ず初めに聞きだすのはこのアルバムでありサマーサンバなのだ。さてそのVerbであるが、既に述べたように敏腕プロデュサーであるクリード・テイラーがABCから移籍して直ちに創り上げたのが南米のサンバとジャズをミックスしたボサノバと言われている。大ヒットアルバム「ゲッツ・ジルベルト」(添付写真)は1964年のグラミー賞を採ったのだからその勢いが知れるというものだ。このアルバムに参加しているのはA・ジルベルト(Vo)、J・ジルベルト(Vo)、AC・ジョビン(Pf)、S・ゲッツ(Tsax)、であって夫々がその後沢山のアルバムを輩出しブームを支えた。
 小生の好んで聴くアルバムは以下の如し。先ず「サマーサンバ」(Org:W・ワンダレイ)。ワンダレイのソウルフルなオルガンが心地良く暑さを忘れさせてくれる。「イパネマの娘」(Pf:AC・ジョビン)。ジョビンの第一作だがC・オーガマン指揮のストリングスをバックにシンプルなピアノの音色が心を和ませてくれる。「ジャズ・サンバ」(Asax:S・ゲッツ、G:C・バード)。名曲デサフィナードなどが軽快なリズムで楽しめる。このサックス、ギター、ベース、ドラムスの形態は大好評を以って支持され、以降「ジャズ・サンバ・アンコール」「ゲッツ・アルメイダ」と続いた。次は「オルフェの唄」(G&Vo:R・ボンファ)。名作オルフェの唄(カーニバルの朝)はこのヴァージョンが最も有名である。ボンファの極めて土着な演奏スタイルが注目を集めた。「ソフトリー・ボサノバ」(G・マクファーランド)。これはやや異色。スキャットでビートルズの名曲をボサノバのアレンジで聞かせる。マクファーランドは名アレンジャーなのだ。
 更にはAC・ジョビンの「潮流」「ウエーヴ」、R・ボンファの「ボンファ・マジック」、など様々なアルバムが犇いている。更にワルターワンダレイは(多分)来日時にキングに吹きこんだアルバムがあり、これはその後再発売もCD化もされてないが、「ウエーブ」や「ブラジル」といった名曲をどちらかというとリラックスした感じで演奏しており、これもまたカセットで録音して愛聴している。
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季節の音楽 水無月 

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季節の音楽 水無月 
 季節の音楽 水無月はジョー・サンプルを取り上げる。ピアニストのジョー・サンプルの歴史は長い。1970年後半のフュージョン・ブームの際には彼のグループであるクルセイダーズがスタッフと人気を二分した。今までとは違うパンチの効いた2ビートに皆酔いしれたものだ。
 独立後はメロディアスかつビート感覚溢れたアルバムを次々とリリース。1980年代の気の利いたバー(そういえばカフェ・バーなんてのがあったっけ)には必ず2、3枚は彼のレコードがあったものである。
 初リーダー作「Rainbow Seeker」に始まり「Carmel」「Voices In The Rain」の一連の三部作はその評価を決定的なものにしたと言って良い。とりわけ最後の「Voices In The Rain」は題名はもとより、曲想からも「梅雨」を連想してしまう。また「Carmel」には「雨のモンタレー」なる曲があったりして、どうしても梅雨時のオモムキを感じさせてくれる。空気に暖かい(暑い)湿り気を感じる頃にジョー・サンプルを無性に聞きたくなるのもそうしたことと無関係では無いように思われる。

季節の音楽 皇月

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季節の音楽 皇月
 季節の音楽 皇月はヘンデルの水上の音楽(演奏 コレギウム・アウレウム合奏団)を取り上げる。ヘンデルはイギリスの作曲家であって国王に仕えていたのだが、大陸(つまりヨーロッパ)への音楽的な憧憬止みがたく遂には渡欧してしまう。特にイタリアに興味があったことはその曲想(コンチェルトグロッソの構成など)から十分窺える。
 そうこうしているうちに当初の予定を相当越えて大陸に滞在してしまい、国王の機嫌を損ねたという。そこで、ヘンデルは帰国すると直ちにこの水上の音楽を作曲し、国王がテムズ川を遊覧する際にいきなり演奏披露に及び、国王をいたく感動させたという逸話が残っている。尤も現在はその事実を「出来すぎている」と疑問視するムキも多い。とはいうものの、この曲はそうした場面を髣髴とさせる佇まいに溢れていることは万人の認めるところであろう。
 水上の音楽は一種の組曲の構成をとっており、オーヴァーチュア、アリア、などの小曲大曲が入り混じってドラマチックな趣に溢れている。同趣向の曲集としては王宮の花火の音楽というのもある。さてコレギウム・アウレウム合奏団はピリオド楽器(古楽器)を使った柔らかな音色と、ドイツのフッガー家の城の通称「糸杉の間」と呼ばれる音響効果に優れた場所で録音を行ったことを特徴としており、その芳醇な響きは他の追従を許さないものがある。バロックオーボエの鄙びた音色がガット弦の響きと微妙に絡み合い、極上の(ワインの如き)音楽が展開する。
 因みに私事であるが、小生の結婚披露宴の入場にはこの曲の冒頭「オーヴァーチュア」を使ったことから、五月には必ず聴くアイテムになっている。

季節の音楽 卯月

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季節の音楽 卯月
 季節の音楽 卯月は「グレート・フォーク・テーマ」(演奏パーシーフェイス・オーケストラ)を採り上げる。これはパーシーフェイスが1960年代初頭にアメリカで巻き起こったフーテナニー・ブームを鋭く察知して作り上げたアルバムであり名盤と言って良い。
 フーテナニーとは日本流に言えばフォークソングである。アメリカの土着?の民族色の強い音楽だが元々歴史の浅い国柄もあってカントリー色が強い。このムーヴメントがサイモンとガーファンクル、CSNY、などを輩出につながっている訳。
さてこのアルバムだが「500マイル」のヴァイオリンの切ない響きや、まるでクラシックの歌曲のような出だしの「レモン・ツリー」など千変万化の編曲が先ず素晴らしい。ボブ・ディランで有名な「風に吹かれて」は映画音楽の如き盛り上がりで実に感動的である。
アメリカの土着の音楽を取り上げたものは既に「アメリカン・グレート・ソング」というアルバムがあって、テネシーワルツ、アラバマに落ちた月、など心に染みる懐かしい響きに満ちていたのだが、グレート・フォーク・テーマはこれとはコンセプトを明確に異にしており、曲そのものを大いに謳歌しているのが良い。
 中学三年の卒業の頃、気の合った仲間で埼玉県は長瀞という観光地?に遊びに行ったことがある。名前を忘れたが有名な川を小船で下った時の印象がまさにこのアルバムそのものだと後年気が付いた。つまりこのアルバムを聴いた途端にその時の長瀞の景色が眼前と浮かんだものだ。理由は今以て判らない。しかしそのことにより、早春に聴くことが通例となってしまった。

季節の音楽 弥生

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季節の音楽 弥生 
 季節の音楽 弥生はアンドレ・ギャニオンを採り上げる。カナダ生まれのアンドレ・ギャニオンが有名になったのは、「Age35」とかゆー2000年頃のトレンディ・ドラマの主題歌を作曲したことに一般的には起因する。しかし彼の本来の活動は1970年の万博で来日した頃からと相当に年季が入っている。
 小生が聞き出したのは1990年頃のNHK-FMの夕刻の名物番組「サウンド・クルーザー」(以下SC)で知り得たからである。今でも語り草となっているこの番組は「アンビエント・ミュージック」なる新ジャンルを確立したことでも知られている。それまでのイージーリスニング(所謂ムード・ミュージック)がエレベーター・ミュージックと酷評されたことに比べ、アンビエント・ミュージックは「寛ぎ」「癒し」などの怪しげな単語と結びつき新たな市場を開拓していたのだ。その線上にかつてのセント・ギガなどがあることは言うまでも無い。
 そのSCでよく流れていたのがアンドレ・ギャニオンというわけ。メロディはシンプルで佇まいはショパンに近い。左手のコードはすべからくアルペジオとなって、滑らかな雰囲気を醸し出している。その単純なメロディ故に楽譜が色々と出版されている。
 1990年の春頃から「風の道」「インプレッション」「静かな生活」なるアルバムが立て続けにリリースされ、いずれも小生にとってはお気に入りとなっている。これから春が煌(たけ)る直前の静かなひとときを実に旨く表現している。
 尚、10年くらい前までは毎年のように来日していた。ライブはピアノ独奏であったが、それだけにメロディの良さが堪能できたし、彼のトークではご家族(大家族)の話題が取り上げられ、これまた違う側面を見ることができた。最近は全く見かけないが今頃はどうしているのだろうか?

プロフィール

JASON

Author:JASON
はじめまして。JASONと申します。ホラー映画が大好きで放映される作品は大概録画して観ています。時間が許せば劇場にも足を運びますが、ことホラー映画に関して言えば米国で公開された数の十分の一くらいしか我が国で公開されないのが残念です。因みにハンドルネームのJASONは御存じ13金のシリーズから取ったものです。さて小生の他の趣味ですが楽器では習い事レベルですが、クラシックのヴァイオリンとジャズピアノを奏します。またカクテルに興味があり、冬はマンハッタン、夏はマルガリータなどを作って楽しんでいます。更に ホームページギャラリー「チェリーとジャンヌ」を公開中です。黒猫チェリーと白猫ジャンヌが登場するイラストストーリーとギャラリーの二本立てになっています。見て頂いた方々のご感想や意見交換などをホームページつくりに反映していきたくよろしくお願いします。なお、URLはhttp://parnassum.web.fc2.com/です。

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